- 「コンサルは○○だからやめとけ」って、論理が飛躍しすぎでは?
- 事業会社でも数字詰められまくるし、コンサルだけが大変なわけないよね?
- なんでこんなにコンサルやめとけ論を見聞きするの?
コンサルへの転職を考えていると、必ず見聞きする「コンサルやめとけ」論。
長時間労働で激務なことや、AIの影響でキャリアにならないなど語られているものの、いまいち腑に落ちないですよね。

私自身は新卒で外資系の戦略コンサルに入りました。就活当時もやめとけ論はありましたが、腑に落ちずにモヤモヤした記憶があります。
この記事のポイント
- 巷のコンサルやめとけ論は誇張や誤解も多く、やめとけと言える強い理由はない
- むしろ上手くいく方が可能性が高いので、迷うならまずは求人へ応募すべき
この記事では、巷で言われている「コンサルやめとけ論」を体系的に整理。
筆者のコンサル時代の経験も踏まえ、誇張や誤解、論理の飛躍のポイントを具体的に解説します。
様々な「○○だからコンサルやめとけ」がありますが、「やめとけ」と言えるほどの強い理由は正直ありません。
あるのは「やめとけ」というネガティブな発信が強調され拡散されてしまう世の中だけです。
万が一コンサル転職で失敗した時のデメリットも限定的ですし、コンサルという仕事に魅力を感じているならば、まずは応募してみることが良い結果に繋がると考えています。



コンサルに入れば活躍できるはずの人が、よく考えずに「やっぱりやめとこうかな…」となってしまうのは非常にもったいないです。
ぜひ最後までお読みいただき、ご自身で納得した道を進むヒントになれば幸いです。


コンサルやめとけ論の整理①「激務だからやめとけ」


巷にあふれる「コンサルやめとけ論」を整理してみると、「①激務だからやめとけ」と「②期待ギャップが大きいからやめとけ」の2つに大別されることがわかります。
2大やめとけ論のうち、この章では「①激務だからやめとけ」にフォーカスして整理・解説します。
「①激務だからやめとけ」は更に分解すると次のような構造です。
- 業務自体が大変だからやめとけ
- 大変な業務による弊害があるからやめとけ



激務の直接的な大変さと、間接的な大変さ、とも言えますね。
「①激務だからやめとけ」で言われている内容は、どれも妥当な内容です。コンサルの仕事の特徴だといえます。
しかし、激務の程度はプロジェクトや部署、ファームごとに千差万別。
そして激務に耐えられるかどうか?は実際に自らやってみないとわからないのが正直なところです。
大事なのは、勇気をもって試してみることです。もし仮に耐えられなくて辞めることになっても、恥ずかしいことは何一つありません。
やめるか迷う気持ちへの向き合い方を事前に知っておけば、「激務だからコンサルやめとけ」にはならないのです。
気持ちへの向き合い方を別記事で解説しているので、併せてお読みください。





以降、業務自体の大変さと、大変さの弊害について、具体的に解説します。
業務自体の大変さ


「激務だからやめとけ」の構成要素の1つめは「業務自体の大変さ」です。
業務の大変さを具体的に言うと、「長時間労働」と「高いプレッシャー」の2点に分けられます。
長時間労働
「コンサルはとにかく長時間労働で大変。だからやめとけ」は最もよく見るコンサルやめとけ論です。
Openwork等の口コミサイトで各社の残業を見ると、例えば、マッキンゼー、BCG、ベインといった外資系戦略コンサルの月間残業時間は約70〜80時間となっています。
同様に調べてみると、アクセンチュアやデロイト、PwCなどの総合・会計系コンサルの残業時間は30~50時間/月。
戦略部門以外の部署があることや、社員数が多いため、残業時間が平準化されて緩やかになっていると予想されます。
他の業界の残業時間も同様に確認してみましょう。
例えば、5大総合商社やメガバンク3行は、いずれも30時間前後です。現在私が勤めているメーカーも30時間程度となっています。
確かにコンサルは残業が多い業種と言えそうです。
他のやめとけの理由には、長時間労働の原因に着目していることも多いです。
【巷で言われる「やめとけ」な理由】
- 要求水準が高く、応えるのに膨大な検討が必要
- クライアント都合により振り回される
- 資料の修正・やり直しが多い
- 業務内容が幅広く、キャッチアップ・勉強の時間がかかる
外資系戦略コンサルにいた私からみて、長時間労働であることや要求水準が高い等の内容は妥当な印象を受けます。



どれも「そうそう、当時は大変だったなぁ」と思うような内容ばかりです。
しかし、「心休まるときもなく常に長時間労働か?」と言われると否です。
「実際の残業はどの程度か?」や、「長時間労働に繋がる事象がどの程度あるか?」は結局の所プロジェクト次第で、一般論で「だからやめとけ」とは言えないのです。
例えば、私の経験ですが、とある調査系のプロジェクトは比較的容易な内容で、毎日定時上がりでした。
一方、全く同じマネジャーの別プロジェクトに入った時は、短期の戦略策定案件だったこともあり、毎日残業、日によっては徹夜もしました。
同じ会社・同じ部署というだけでなく、マネジャーも同じという条件ですら、プロジェクト次第で全然違う働き方になるのです。
昨今は働き方改革の影響がコンサルにも及んでいると聞きます。
長時間労働や、その要因となる事象は確かに存在しますし、平均的な傾向では正しいかもしれません。
しかし実態は、個別ファームごとや採用ポジションまで細かく見なければわからない、というのが正直なところです。
逆に、自分にとって適切な負荷で働いていけるコンサルを見つけることもできる、とも言えます。



「毎晩深夜まではきついけど、かと言って緩すぎるのも不安だし成長したい」という人が多いと思いますが、その度合いは人それぞれですよね。
人によって耐えられる負荷は変わりますし、同じ人であってもタイミング次第では耐えられないこともあります。
全てのプロジェクトが毎週徹夜を繰り返す状況では当然ないので、自らの考え方に合致するコンサルを見つけることができれば「コンサルやめとけ」にはなりません。
各コンサルファームのプロジェクトの傾向まで把握できるのは、コンサルに特化した転職エージェントです。
彼らは無料でサポートしてくれるので、上手に活用することが近道になります。
別記事に詳しい選び方を記載していますので、ぜひお読みください。


高いプレッシャー
労働時間が長いことに加えて、「高いプレッシャー」も激務と言われる要因です。
高いプレッシャーに関して、巷では次のような“やめとけ理由”が挙げられています。
【巷で言われる「やめとけ」な理由】
- 常に成長を求められる
- 成果が出ないと、精神的に追いつめられる
- 皆優秀で競争が激しい・実力主義
- リストラされるリスクがある
「常に成長を求められる」というのは、確かにコンサルの特徴の1つです。
これはコンサルの人材育成に対する価値観に起因しています。
コンサルは優秀なコンサルタントの人数で売上が決まるビジネスモデルのため、「どれだけ成長させられるか?」が重要です。
コンサル業界各社の長い経験上、「チャレンジさせることで人は大きく成長する」という前提になっています。
チャレンジさせる仕組みになっているので、できていないことは厳しく詰められますし、皆その環境で頑張る仕組みができています。
このため、「プレッシャーがきついからやめとけ」に類する意見が散見されるのです。
ここで大事なのはバランスです。
高いプレッシャーがあることは大変ですが、「短期間で成長できる」「成長に伴う昇進・昇給がある」など多くのリターンがあることを考慮しましょう。
プレッシャーによって体調を崩してしまったり、顧客に迷惑をかけてしまったりしてはNGなので、会社側も使い捨てるような激務は強いて来ません。



失敗したら怖い、と思いますがチャレンジして得られるリターンもあるのです。
なお何十年も同じコンサルファームにいる人が多くないこともあってか、「同期との出世競争バチバチ」のような雰囲気はありません。
同期とは、むしろ同じ辛さを共有できる戦友のような関係が多いです。
また「リストラされるリスクがある」という声も時々聞きますが、日本国内で外国のような首切りは容易にはできません。
実態は、昇進が遅れたり、専用の再教育プログラムに送られたりします。それによって「そろそろ潮時かな…」と自主的に辞めることがほとんどです。
詳しくは別記事で解説しているので、ぜひお読みください。


業務自体の大変さによる弊害


業務自体が長時間で高いプレッシャーで激務であることをこれまで解説してきました。
ここからは、「激務であることの弊害」のコンサルやめとけ論を解説します。
弊害は「健康管理が難しい(自分自身に返ってくるもの)」と「プライベートが犠牲になる(周囲の人に及ぼすもの)」の2つに大きく分かれます。
健康管理が難しい
1つめの弊害は「健康管理が難しい」というものです。
【巷で言われる「やめとけ」な理由】
- 寝不足になるほどの激務で体調を崩す
- プレッシャーの厳しい環境でメンタルをやられてしまう
長時間・高いプレッシャーの中で働き続けると、何かしらの不調が出てくることも確かにあるでしょう。



私自身、当時は新卒で体力も十分にあり、ハードに働いても大きな不調はありませんでした。
しかし、今徹夜しようものなら、その後1週間は引きずってしまいます。
こればかりは、事前に予見できないことであり、なかなか難しい問題です。
「自分では大丈夫だ」と思っていてもある日急にきつい日がきてしまうこともあります。
会社側も使い捨てるなどという考えは当然なく、気を付けながらアサインしていますが、それでも体調を崩す人が出てきてしまうのが実態です。
しかし、「激務で体調を崩す。だからやめとけ」は、強引なロジックです。
予見できないからやらない、というのであれば、何も行動をとることができません。
コンサルに関心があるならば「どうやって激務の中で体調管理するか?」ということを考える方が建設的です。
体調管理の方法は、その環境に身を置いて自分で模索していくしかありません。
ちなみに、私個人は次のような内容を行っていました。
- どれだけ忙しくても、栄養のあるご飯を3食必ず食べる。
- どれだけ忙しくても、数時間は自分のベッドで必ず寝る。
- 上記2つに関して、お金に糸目をつけない。
もちろんご飯を食べられない日や椅子で仮眠した日も何日もありますが、自分の中で体調管理で必要だと思ったことを実践していたことに意味があったと考えています。
体調管理もプロの仕事である、と考えて、自分でコントロールする意思を持つこと。
これができれば、少なくとも「コンサルやめとく」理由にはならないでしょう。
プライベートが犠牲になる
「プライベートが犠牲になる」というのも、激務の弊害としてよく聞く内容です。
【巷で言われる「やめとけ」な理由】
- 平日の飲み会に参加できない。気づいたら誘われなくなる
- プロジェクトが炎上し、土日の家族サービスが中止・延期
- 付き合っている彼氏・彼女に愛想をつかされる
激務の中で疲れ果てて、自分の体調管理のために休日はずっと寝てしまう、というのは往々にしてあります。
その結果、友人や恋人、家族との時間を作るのが難しくなり、関係性が悪くなってしまうというものです。



特に恋人や家族となると、ギクシャクや家庭崩壊から仕事どころではなくなってしまうケースもあります。
この弊害に対しては、コミュニケーションの取り方を工夫することが重要です。
大事なことは、相手に対して自分の状況をそのままロジカルにぶつけないことです。
コンサルにいると、ロジックとファクトで理論武装することに慣れてしまいます。しかし、ロジックとファクトだけをプライベートに持ち込んでしまう人がいますが、よろしくありません。
まずは相手の気持ちへの共感を持つことが何よりも重要です。
別記事にて家庭崩壊をパートナーと防ぐ方法を詳しく解説していますので、ぜひお読みください。


また、コンサルならではの忙しさについて、コンサル以外の人からは分かりにくいこともあります。
忙しさの背景を上手く伝えられず、恋人との関係性がギクシャクしてしまう人も少なくありません。
よくある「コンサルの多忙さ」のパターンとその時の心境について別記事で解説しています。
相手にコンサルの忙しさの理由を伝えやすくなります。こちらもぜひお読みください。


コンサルだから離婚率が高いなどと言うデータはありません。
丁寧にコミュニケーションを取ることで、自分の仕事を理解してもらえるはずです。
プライベートが犠牲になる可能性は勿論0ではありませんが、「だからコンサルやめとけ」というのは短絡的と言えるでしょう。
激務だけに目を向けていると片手落ち
「激務だからやめとけ」に関して、解説してきました。
どれもコンサル業務の特性として概ねあっていますが、年がら年中というわけではないものも多いです。自分のコントロール次第で対応できることもたくさんあります。
「激務だからやめとけ」で忘れられがちなのが、激務の先に得られるリターンについての理解です。
例えば、常に高いプレッシャーで働くことで、圧倒的に成長できることができます。
かかる負荷と得られるリターンの両方のバランスを見ることが重要なのです。
激務の先にコンサルで得られるリターンを別記事にて詳しく解説していますので、ぜひお読みください。


コンサルやめとけ論の整理②「期待ギャップ大きいからやめとけ」


2大コンサルやめとけ論、もう一つは「②期待と実態は大きくギャップがあるからやめとけ」です。
①の「激務だからやめとけ」はコンサル業務の特徴をそれなりに正しく描写していますが、②の「期待ギャップ大きいからやめとけ」は勘違いや幻想が多く含まれています。
コンサル在籍中と、コンサル後のキャリアに分けて、詳しく見ていきましょう。
コンサル在籍中のギャップ


コンサル在籍中に感じる期待ギャップで、やめとけ論でよく見るのは次のような内容です。
【巷で言われる「やめとけ」な理由】
- コンサルは華やかではなく泥臭い仕事
- コンサルは最終意思決定に直接携われない。当事者感がない
- コンサルは専門性が身につかない
パッと見はそれっぽい理由ですが、少し考えてみれば不自然なロジックばかり。やめとく理由にはならないと考えています。
華やかではなく泥臭い仕事
「コンサルは華やかではなく泥臭い仕事。だからやめとけ」
この裏側にはコンサルの仕事を次のように捉えている節があると予想されます。
コンサルの華やかな仕事
- パリッとしたスーツを着て、きれいなスライド資料で堂々と戦略を語る
- 顧客が思いつかないような打ち手を提案し、業績はV字回復
コンサルの泥臭い仕事
- 大量のデータの分析・シミュレーション
- 関係者との細かい調整や必要な書類の作成
ここで勘違いなのは、泥臭さしかないと考えている点です。正しくは、華やかな部分と泥臭い部分、両方あるのが仕事です。
そもそもなぜ仕事に価値があるのでしょうか?
大きくは、「その仕事を自分でもできるが、めんどくさいから」「その仕事を自分ではできないから」の2つです。
前者は分かりやすいですね。この時点で、泥臭い部分は必ず仕事に含まれています。
後者の「自分ではできないから」という理由も、更に掘り下げてできない理由を考えると、こと労働集約ビジネスにおいては「できるようになるまでの泥臭い努力や積み上げができない」というのが大半です。
つまり仕事とは本質的に大変なことを代わりにやるから価値が生まれるのです。
地道な大変さ・泥臭さがない仕事は、そもそも仕事しての価値は限りなく低いといえるでしょう。
コンサルも当然、泥臭いことがたくさんあります。特に未経験で入社して最初の数年間は地道で膨大な作業をたくさんさせられます。
ではコンサルの仕事には華やかさがないのか?というと、そういうわけではありません。
泥臭さ100%では人は集まりません。泥臭さの中に、何かしらの魅力があるからこそ人が集まるのです。
冒頭の例が華やかであると感じるのであれば、このような状況はコンサルで体験できます。もちろん毎日は無理ですが、0ではありません。
また華やかでなくても、顧客に喜んでもらえるという体験もコンサルでは得られます。
いずれにせよ、コンサルは華やかではなく泥臭いからやめとけ、というのは仕事そのものへの勘違いと、コンサル業務の勘違いの両方であり、やめとく理由にはならないと考えています。
最終意思決定に直接携われない・当事者感がない
「コンサルにいても最後に決めるのは顧客。意思決定に携われないし、手触り感がない。だからやめとけ」
せっかく提案しても採用されない。逆に採用されてもその結果まで見届けられない。
確かにコンサルの仕事をしていると直面する事象です。
しかし、案が採用されなかったり、意思決定の立場になかったりすることが、本当にコンサルをやめとく理由になるのでしょうか?
最終結果を見届けるということは、その案に対して最後まで責任を以って対応することを意味しますが、本当にそこまでやる覚悟があるのでしょうか?
案が採用されないというのはコンサル以外の仕事においても起こり得ますし、意思決定も権限がなければできません。急に部署異動して最後まで見届けないことも沢山あります。
このやめとけ論はどのような仕事であっても発生する事象で、程度問題です。
また、「意思決定に携われない」というのは、顧客を意思決定させて動かすほどの提案ができていないコンサルの問題でもあります。
顧客にとって本当に意味のある提案を続けていれば、関わり続けて最後まで見届けることできるはず。
「手触り感がない」などはコンサルの価値を発揮できていないだけであり、やめとく理由にはなり得ないでしょう。


専門性が身につかない
「コンサルでは基礎的なビジネススキルが身に付くが、専門性は身につかない。だからやめとけ」
こちらもよく聞くやめとけ論です。
【巷で言われる「やめとけ」な理由】
- コンサルの論理的な思考法やプレゼンスキル、分析フレームワークなどの基礎スキルは高くなる
- 一方、様々なプロジェクトを幅広く経験するため、特定の領域での強みが出てこない
この主張の問題点は、コンサルの仕事の価値や、習熟にかかる時間を考えられていない点にあります。
○○コンサルは、○○をアドバイスする専門家です。
戦略コンサルなら事業や全社の戦略を、ITコンサルならIT導入の戦略を、専門性を以ってアドバイスする仕事です。
専門的なアドバイスが貰えるから顧客はコンサルにお金を払っています。
もちろん個々人レベルでは基礎スキルを磨くところからスタートしていますので、顧客に対して専門的なアドバイスできるレベルに最初からは達しません。
しかし、コンサルファーム全体では長い歴史を経て専門性が当然蓄積されていますし、マネジャー以上のコンサルタントは何かしらの領域の強みがあるからマネジャー以上になれています。



コンサルにおける専門性は、時間をかけて磨かれていくのです。
「コンサル在籍2~3年程度で顧客が唸るような専門的な提案が1人でできるようになる」という考え自体がそもそも間違っているといえるでしょう。
「専門性が身につかないからやめとけ」は成り立ちません。
時間軸を考慮すると、実際には次のようなイメージになります。
- 2~3年在籍した程度で、その領域のコンサルティングができるほどの専門性は身につかない
- 5~10年と長いスパンで在籍すれば、その領域で一定コンサルティングができる専門性が身に付く
得たい専門性と必要な時間軸を見比べて、自分にとって意味があれば、コンサルに行けばよいのです。


コンサル後キャリアのギャップ


コンサル後のキャリアに関する期待ギャップの中で、やめとけ論でよく見るのは次のような内容です。
【巷で言われる「やめとけ」な理由】
- コンサル入ってもキャリアが広がらない
- 大量採用でコンサルの希少価値が低下している
- コンサル後は給料が下がってしまうケースが多い
コンサル後のキャリアに関するやめとけ論もやはり不自然な内容が大半で、やめとく理由にはならないです。
キャリアが広がらない
「コンサルから事業会社に転職しようとしたら苦戦した。キャリアが広がらないコンサルはやめとけ」
このようなコンサルやめとけ論も耳にします。
【巷で言われる「やめとけ」な理由】
- せっかくコンサルに入ってキャリアアップしようと思ったのに、意外と上手くいかない
- ビジネススキルに自信があるが、事業会社の人ほど専門的な内容を話せない
- コンサルでのプロジェクト経験を面接で上手くアピールできない
これは転職の仕方をそもそも間違えており、勘違いから発生するやめとけ論です。
当たり前ですが、コンサルでの経験が活きる方向性でしか転職は上手くいきません。



ベンチプレスを100kg上げ、100mを10秒台で走れるようになった人が、「おかしい。高い身体能力があるのにプロサッカー選手になれない」と言っているようなものです。
第二新卒などの若い人ならポテンシャル採用で転職できるかもしれません。
しかし、それ以外では採用側は「コンサルで何を経験して、その経験をどのようにうちで活かしてくれるのか?」しか見ていません。
2~3年しかコンサルに在籍していないのであれば、2〜3年で言える範囲の経験でポストコンサルのキャリアを考えることになります。
もっと長くコンサルにいるのであれば、2〜3年では得られない経験に応じてキャリアは広がります。
例えば、次のような転職イメージです。
- 完全未経験から3年間コンサルに在籍。その経験を基に、上のレベルのコンサルファームに転職
- 5年在籍しマネジャー経験。一通りのスキルとデリバリー力が身に付き、メガベンチャーの事業開発マネジャーポジションに転職
- 10年間在籍して数多くのM&A案件を担当。深い業界知見と組織推進力を武器に、PEファンドに転職
コンサルで得た経験を適切な方向に活かせばキャリアは広がっていくのです。
大量採用で希少価値が低下
「大量採用されているからコンサルにいただけでは価値が出ない。キャリアにならないからやめとけ」
こちらも時々聞くコンサルやめとけ論です。
確かにコンサル出身者は年々増えています。
日本国内においてコンサル業界が成長しているので、それだけコンサルに入る人も増え、同時にやめた人も増えています。
しかし、コンサルにいたこと「だけ」で価値になること自体が、そもそも大量採用云々関係なく昔からあり得ないです。
残念ながらコンサルに行けばそれだけでその後のキャリアが成功するほど世の中は甘くありません。
結局のところ、何のためにコンサルに転職するのか?そこで何を得たいのか?を主体的に考え動くことが重要です。
主体的に考えられる人は、大量採用だろうが何だろうがきちんと結果を出せるはずです。コンサルをやめとく必要は一切ありません。


辞めた後は給料が下がる
「コンサルだと若くして高い給料を貰える。転職しようにも給与が足かせになって身動きが取れない。だからやめとけ」
数は多くはありませんが、高給を理由に「やめとけ」といった意見もあります。
コンサルが辛くてやめたくなった際、給与水準を維持できずに身動きが取れないことを危惧しているのでしょうが、こちらもコンサルをやめとく理由にはなりません。
なぜなら、単純にコンサルの給与水準がいつまでも維持されない前提で生活水準を決めれば済むからです。
それさえ守れるのであれば、これからコンサルへの転職を考える人には関係ありません。



私自身は、コンサルをやめてスタートアップに転職した際、給料が2/3程度になりました。
しかし生活水準を上げていなかったので貯蓄もありましたし、給料面で気になることは何もありませんでした。
むしろコンサルに入社して経験を積んだからこそ、その後の給料がアップするケースだって幾らでもあります。
仮にコンサル後に給料が下がったとしても、生涯年収は増えています。
収入に関して「コンサルやめとけ」といえる理由は何もありません。


コンサルやめとけが目に付いてしまう構造的な要因


ここまで2大コンサルやめとけ論の「激務だからやめとけ」「期待ギャップが大きいからやめとけ」解説してきました。
激務だからやめとけの理由は、やってみないうちに判断するのは時期尚早です。
期待ギャップが大きいからやめとけは、どれも論理的に違和感のあるものばかりで、やめとく理由にはなりません。
では、やめとく理由でないなら、なぜこれほど「やめとけ」を見聞きするのでしょうか?
「やめとけ」を沢山見聞きするのは、「やめとけ」の拡散のしやすさと発信源の種類の多さが関わっているのです。
この章では、やめとけを沢山見聞きする構造を解説します。
拡散しやすさ:ネガティブへの関心の高さとアルゴリズムによる増強
やめとけを沢山見聞きするは、「やめとけ」が拡散しやすい性質を持つ点にあります。
人々はポジティブな表現よりもネガティブな表現に関心を持ちやすい生き物です。
プロスペクト理論からも分かるように、マイナスな面をプラスよりも過大に捉えてしまうのが人間の性。
なかなか抗いづらいのがネガティブ表現なのです。



YouTubeでやばい系のサムネイルの方が再生回数が出るのもそのためですね。
一方、YouTubeやXなどプラットフォームは、ユーザを満足させて滞在時間を伸ばす方法を考えています。
人々の注目を得られるコンテンツをなるべく多く表示するアルゴリズムにより、滞在時間を伸ばそうとします。
結果、ネガティブキーワードが人々の関心を捉える特性とアルゴリズムが合致し、必要以上に我々の目の前に「やめとけ論」が出てくるのです。
発信源の多さ:元コンサル以外にクライアント、外野までもが発信
人々のやめとけへの関心の高さとアルゴリズムによって拡散されるコンサルやめとけ論。
その種火となる「やめとけ論」の発信が、元コンサル以外の人々からもあります。



様々な角度からの発信が、コンサルやめとけ論の拡散に拍車をかけているのです。
通常「コンサルやめとけ」は、コンサル経験者が後悔や挫折への正当化などの心境を以って発信することが多いです。
しかし、元コンサル以外にも、コンサルを使ったことがあるクライアントが発信するケースもあります。
例えば、コンサルを使ってみたものの、全然結果が出なかったケース。
必ずしもコンサルだけの問題ではないケースもありますが、クライアント側からしたら、「コンサルなんて大して使えないよ、やめとけ」という発言になるでしょう。
他にも全くコンサルに関係のない外野が「やめとけ論」を発信しているケースがあります。
例えば、ある人の知り合いがコンサル転職に興味がある場合。
ある人からしたら、自分よりも高い給料になってしまうことを妬んで、根も葉もない印象論で「コンサルは虚業だぞ、やめとけ」と言うような状況です。
様々な思惑が入り乱れてコンサルやめとけ論は発信されているのです。


コンサルやめとけはもったいない!3つの理由


コンサルに少しでも興味があるならば、何もせずにコンサル転職をやめてしまうのは非常にもったいないです。
理由は3つあります。
- マクロで見て上手くいく可能性が高い
- やってみないと個々の判断がつかない
- 失敗したとしてもデメリットは限定的
順番に詳しく見ていきましょう。
①マクロで見て上手くいく可能性が高い
コンサルに迷うぐらいなら行っとけと言える理由の1つ目は、「コンサル業界全体で見た時に、あなたが上手くいく可能性の方が高い」と言う点です。
コンサル業界は市場規模は2023年に2兆円以上、直近7年は年率13%で成長しています。7年で2倍の規模になる計算です。
コンサルは労働集約産業ですので、事業規模は人数×単価で決まります。
コンサルの単価がここ7年で2倍になっていないので、人数が昔に比べて増えていることが分かります。
つまり、マクロで見れば、辞める人よりも入社して一定期間在籍する人の方が多いのです。



「やめるより居続けた方がいい」と多くの人が判断しているわけです。
もちろんやめる人が一定数いることは事実です。しかし、大量退職ではありません。
事実、厚生労働省発表の産業全体の離職率が12.1%に対して、公表されているコンサルの離職率は下回っています。


大量退職のを大量採用で補っている構図ではなく、一般的な離職率の中で少しずつ人数を増やして成長している様子が見てとれます。
コンサルは満足感を得る人の方が多いのです。
補足:コンサル各社の離職率データの出典
使用したコンサルの離職率のデータの出典は下記のとおりです。
- アクセンチュア:「女性が活躍するアクセンチュア」
- NRI:「NRI ESG DATA BOOK 2024」
- 船井総研:「船井総研グループESGデータ」
厳密には、コンサルが発表しているデータを各年度ごとの産業平均離職率と比較しなければいけませんが、コンサルだけが非常に離職率が高いわけではないことがメッセージですので、伝わりやすさを優先して表現しています。
②やってみないと個々の判断がつかない
コンサルに迷うぐらいなら行っとけと言える理由の2つ目は、「コンサルの採用試験を受けて、実際に数年働いてみないと、自分の向き不向きがわからない」と言う点です。
マクロで上手くいきそうなことはわかったとしても、「結局、自分がやめる側になるのでは?」という不安は拭えないでしょう。
しかし、逆に言うと、上手くいく可能性すらも現段階では分からないのです。
業務が大変、と言っても、実際に業務をやる自分の状況によってもこなせる時とそうでない時があるはずです。
例えば、プライベートで落ち込んでいる時はどれだけ仕事が普段できる人でもパフォーマンスが微妙になり得ます。
では自分がうまくいくのかどうか、自分では判断できないのか?
今この場で判断するとしたら、コンサル業務への興味関心の有無です。関心があれば、ひとまず適性があります。
理由について詳しくは別記事にて解説していますので、ぜひお読みください。


もう少し向き不向きを正確に判断したいのであれば、実際にコンサルファームの採用試験を受けてみるのが良いです。
コンサルファームの面接を通過することができるのであれば、少なくとも一定程度の論理的な思考やリーダーシップがあり、今後活躍が期待できる、とみなされています。
- いきなりコンサルファームの採用試験を受けるのはちょっと勇気がいる
- 落ちたら再チャレンジまで期間を開けないといけないから、なかなかチャレンジできない
いきなり本番は…という方は、コンサルに特化した転職エージェントに向き不向きを聞いてみることをお勧めします。
コンサル特化転職エージェントは、これまで膨大な数の候補者を見てきているので、コンサルの採用試験に通りそうか?をある程度見極めることができます。
彼らの商売上、無理にコンサルに応募させて悪評が立つことは避けたいので、向いていないのであれば無理強いはしてきません。
無料登録できますので、自分の向き不向きをまずは簡単にチェックするのも良いでしょう。
コンサル特化エージェントの選び方を別記事にて詳しく解説していますので、ぜひお読みください。


③失敗したとしてもデメリットは限定的
コンサルに迷うぐらいなら行っとけと言える理由の3つ目は、「もし仮に予想と外れてコンサルで上手くいかなくても、デメリットは限定的」という点です。
失敗として想定されるのは次の4つです。入社前からやめた後の各フェーズに分けています。
- 採用試験に落ちた場合、再度受けるまでに期間を空けなければならない
- 採用されたはいいけど、激務で落ちこぼれてしまった
- 激務で体調を崩してしまった
- 辛いけどやめようにもやめられず、しんどい
いずれのケースも具体的に考えてみると大したことがなかったり、事前に対策ができたりします。
①再チャレンジまでの期間
①の再度チャレンジするまで必要な期間は、ポジティブに捉えましょう。
今の状態で入ってもついていけないわけです。大きな失敗をする前に判断できた、と無理にでも前向きに捉えましょう。
失敗確率を下げる上で、コンサル特化のエージェントに相談しながら進める、という方法もこのタイミングなら取れます。
万が一エージェントにすら転職を断られた場合、少し恥ずかしいかもしれません。
しかし、誰かにその事実を知られるわけでもないですし、時間が経てば忘れる話です。大したことありません。
②激務による落ちこぼれ
②の落ちこぼれに関しては、昇進が遅くなることや業務改善プログラムを適用される程度です。
固定給は変わりませんし、その後のキャリアが大きく狭まってしまうこともありません。挽回策もきちんとあります。
詳しくは別記事で解説していますので、ぜひお読みください。


③激務で体調を崩す
③の体調を崩してしまったケースは、ぜひしっかりと専門家の元で療養してください。



私がいたコンサルでも体調不良で求職した末に、パートナーになった人を知っています。休むことはネガティブではありません。
コンサル各社、キャリアの柔軟性を昔よりも高めています。
例えば、マッキンゼーでは通常よりゆっくりとキャリアを築けるPaceという制度があります。
体調を崩さないのがベストですが、万が一崩してもサポート体制が充実しているのです。
④辛いけどやめられない
④のつらいけどやめられない心境は、自分の恥ずかしい気持ちや悔しい気持ちに具体的に向き合うことで解消できます。
次の5つの感情を具体的に考えることが大切です。
- コンサルで得られるはずのことを得られない不安
- 転職活動自体や、将来のキャリアへの不安
- 辞めること自体の恥ずかしさや悔しさ
- まだ頑張れるのでは?という自分への期待
- 変化すること自体への不安や面倒臭さ
5つの感情への向き合い方を別記事で解説してますので、ぜひお読みください。


むしろコンサル行っとけ!やめとけ論の総括
最後にこの記事のまとめです。
- 巷のコンサルやめとけ論は誇張や誤解も多く、やめとけと言える強い理由はない。
- 「激務だからやめとけ」は、内容は妥当。ただし、やってみないうちにやめる判断するのは時期尚早。
- 「期待ギャップが大きいからやめとけ」は、どれも論理的に違和感のあるものばかり。やめとく理由にはならない。
- 「やめとけ」を沢山見聞きするのは、「やめとけ」の拡散のしやすさと発信源の種類の多さが関わっている。
- ネガティブな発言が、アルゴリズムによって目に留まるようになっているだけである。
- コンサル市場全体を見たら、むしろ辞めずに残っている人の方が多い。多くのコンサルの中の人にとって、デメリットよりもメリットの方が大きい。
- 入社できるなら活躍できる可能性が高いので、迷うならまずは求人へ応募すべき。
- いきなり求人に応募するのはちょっと…というならば、コンサル特化の転職エージェントに無料登録して相談するのも1つの方法。



最後までお読みいただきありがとうございました。
コンサルに興味があれば、まずはエージェントに登録して、求人を知る所からでもトライしてみてください。


