「コンサルに向いてなかった…?」判断方法と改善策を元コンサルが解説

  • コンサルで頑張っているが、クライアントに価値が発揮できず、仕事がつらい…
  • なんとかコンサルに入社したが半年で落ちこぼれてしまった。このまま居続けてよいのだろうか?
  • コンサルの内定が出ない。チャレンジを続けるべき…?

コンサルに入社したものの、努力しても結果がなかなか出ない時、辛いですよね。自分には向いていないのでは?と悲観する気持ちもよくわかります。

コンサルへの転職活動をしている人も、コンサルに興味がある人も、様々な情報を見聞きする中で、自身のコンサルへの適正が気になっているでしょう。

どうやって向き・不向きを知ったら良いのでしょうか?

私は新卒で外資系戦略コンサルに入り、スタートアップ、日系大手メーカーと転職しています。会社規模・業種・外資日系と様々な立場を経験してきました。

私自身、様々な立場を経験した結果、次の3つの質問のいずれかで、コンサルの向き・不向きを判断できると考えています。

  • コンサルティングという職業で、楽しみ・喜びを何かしら見出せるか?
  • 自身の職位の年数が、ファームの職位ごとの在籍目安年数以下か?
  • コンサルファームの採用試験に通過しているか?

すでにコンサルで働いている方は1と2を、今まさに転職活動中の方は1と3を、コンサル転職に興味がある方は1だけ答えればOKです。全てYesならば、その時点において向いていると判断できます。

この記事では、なぜこの3つの基準で判断できるのか、徹底解説します。
この基準を理解して判断に用いることで、漠然とした不安は解消されるでしょう。

「自分は向いていると分かった。でもまずは今のつらい状況をなんとかしたい…」

向いているならば、やれることはまだまだあります。
いきなり沢山はできないと思うので、まず注力すべきポイントを1つご紹介します。

そのポイントから取り組むことで、好転するきっかけになるはずです。

コンサル在籍中の方と、コンサルに興味がある方の両方に役立つ内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

目次

「コンサルに向いていなかった?」まずは落ち着いて判断を

辛さや大変さと向き不向きは本来無関係

そもそも「仕事に向いている」とは何でしょうか?仕事で辛く苦しいことが多い人は、向いていないのでしょうか?

向いている仕事であっても、大変さや辛さは必ずあります。

特にコンサル業界は、あるレベルの仕事ができるようになったら、すぐに次のレベルの挑戦が与えられるため、原理的に辛い状況が続くのです。常にストレッチさせられ、年々難易度が上がっていきます。

私のコンサル時代のラインのパートナーは、部門の長を務めている、いわばコンサルにとても向いている人です。
そのパートナーも、マネジャーの時に毎日20時間近く仕事しても終わらない時期があって流石にしんどかった、と語ってくれました。

つまり、辛い状況だからといって、それだけで向いている・向いていないは判断できません。

ではどのように判断したら良いのか?次の章から解説したいと思います。

身体に不調が出過ぎていて、「流石にまずい」と思う大変さや辛さの場合、問答無用で診察を受けたり休職したりと適切な対応を取ってください。
健康は大大大前提です。元気であれば何でもできますが、健康を害してしまっては何もできません。

誰でも使える!向き・不向きを判断する3つの基準

向き・不向きは、どのように判断すれば良いのでしょうか?

「仕事に向いている」というのは、「仕事上の要求に対して、期間内に応えられること。それを続けられること」だと考えています。

その人の能力や経験は仕事の向き・不向きに大きく関係するものの、能力や経験だけでは判断に使えないです。

なぜなら能力があったとしても、要求に応えられなければ意味がないから。そして、要求に応えられたとしても、続けられなければ仕事として成立しないからです。

では具体的にどのような基準で判断したら良いか?

私は、次の3つの質問のいずれかで判断できると考えています。

  • コンサルティングという職業で、楽しみ・喜びを何かしら見出せるか?
  • 自身の職位の年数が、ファームの職位ごとの在籍目安年数以下か?
  • コンサルファームの採用試験に通過しているか?

1つ目は「続けられるか?」を判断する基準で、2・3つ目は「期限内に要求に応えられるか?」を判断する基準です。

すでにコンサルで働いている方は1と2を、今まさに転職活動中の方は1と3を、コンサル転職に興味がある方は1だけ答えればOKです。全てYesであれば”向いている”と判断できます。

順番に解説したいと思います。

補足:向いていても、仕事を辞めてOK

3つのいずれかの判断基準を用いて「向いている」と判断しても、仕事を続けるかどうかは別問題です。

なぜなら、世の中に仕事はごまんとあるため、「もっと向いている」仕事があるかもしれないからです。1つのことに固執する必要はありません。

また、「向いていない」となっても、辞めなくてもOKです。

もちろんUp or Elsewhereで他の部署に飛ばされてしまうことは0ではないですが、許される限り頑張り続けるのも個人の選択です。

楽しみを見つけ、能力が開花するタイミングは人それぞれで、本来は誰かが決めることではありません。

向いている・いないは、あくまで1つのモノの見方です。

「向いているから、こうする」と機械的に決定する必要はありません。

基準① コンサルティングに楽しみ・喜びを見出せるか?

1つ目の基準は、「コンサルティングという職業で、楽しみ・喜びを何かしら見出せるか?」です。

これは「続けられるか?」を判断するための質問になります。

その仕事を続けられるかどうかは、究極、その仕事を通じて楽しみや喜びを得られるか否かにかかっています。

仕事において大変なこと・辛いことは必ずあります。
プロであればあるほど、仕事で追い込むので辛いです。
その時に頑張れるかどうかは、この楽しみや喜びの有無が重要になります。

もちろん様々な喜びのバリエーションがあります。

例えば、「コンサルは高い年収がもらえる」というのも1つの喜びかもしれません。

しかし、もう一歩深く「コンサルならでは」まで踏み込んで考えられると良いと思います。

深くと言っても、なにも「高尚なことを考えろ」といっているわけではありません。

例えば「年収が高いし、毎回テーマが変わって飽きないし、何より面白い仮説が検証できた時の快感が堪らない」のようなパターンでもOKです。

内容を人にオープンにする必要はないです。あくまで自分が頑張る上で拠り所にできるような魅力を考えてください。

すでにコンサルに在籍中の場合

すでにコンサルティングファームに在籍しており、なかなか成果がでなくて辛い状況の場合。

もしコンサルティングという仕事に何かしらの喜び・楽しみを感じているのであれば、この段階で「向いていない」と判断するのは時期尚早です。次の基準②を考えてみてください。

逆に順調に昇進をしていても、楽しみや喜びを全く見出せていないのであれば、向いていないかもしれないです。
もっと楽しめて活躍できる道が他にあります。

コンサル以外のハイクラスキャリアを扱うエージェントに相談して、選択肢を知るのも良いでしょう。

まだコンサルに在籍していない場合

コンサルに興味がある方、転職活動中の方は、まず基準①を深く考えてみてください

もし魅力を感じるのであれば、もう少し情報収集するのが良いです。

世の中にはコンサルに関する多くの書籍やネットコンテンツがあります。

より深く知りたい場合は、コンサル特化の転職エージェントに登録して情報をもらうのも1つの方法です。

もしここで具体的な魅力を何も見つけられなければ、向いていない可能性が高いです。

他のハイクラスキャリアも含めて、まずは広く俯瞰してみてはいかがでしょうか?

ハイクラスが得意なエージェントを活用すると一気に解像度が高まるので、おすすめです。

基準② 自身の職位の年数が在籍目安以下か?

2つ目の基準は、「自身の職位の年数が、ファームの職位ごとの在籍目安年数以下か?」です。

これは「期限内に要求に応えられるか?」という点を判断するための質問になります。

基準②はすでにコンサルに在籍している方向けです。
まだコンサルに入社前の方で、転職活動をしている場合は基準③をお考えください。

コンサルファームでは、アナリスト、コンサルタント、マネジャーと職位毎に在籍目安年数が定められています。ファームによりますが、それぞれ3~5年あたりで設定されていることが多いです。

この在籍目安年数は、向き不向きを判断するために定められているとも言えます。

これまでのファームの経験から、それ以上在籍しても会社にとっても本人にとっても無駄になる可能性が高い年数で線引きされています。

逆に捉えると、まだその年次に達していないのであれば、向いているかどうか判断できない、ということです。

ファクトとロジックの塊のようなコンサルが、判断できるのに先延ばしにするという非合理なことをするとは考えにくいですよね。

もちろん途中経過で、成長があまりにも遅れていれば、上司から「このままだと、ちょっとまずいんじゃない?」といったフィードバックをされることがあると思います。

しかし、人によって成長曲線はバラバラですので、在籍目安の範囲内であれば向いている可能性は大いにあります。

私のいたコンサルでは、在籍目安より1年多くアナリスト時代を過ごした方が、パートナーになった事例も。
あくまで目安ですし、成長カーブは人それぞれです。

まだ短い期間しか在籍していないのであれば、その時点で向き不向きをジャッジすることはできないのです。早まることがないようにしましょう。

逆に、「年次が最終年度だが昇進が厳しいかも…」というケースもあるかと思います。

その場合、別の部署に異動することや、これまでの経験を活かして転職するのも1つの手です。

年次ギリギリまで頑張ってきたのであれば、相当な力がついているはず。ぜひコンサル以外のキャリアも得意なエージェントに相談してみてください。

基準③ コンサルファームの採用試験に通過しているか?

3つ目は、「コンサルファームの採用試験に通過しているか?」です。

こちらも「期限内に要求に応えられるか?」という点を判断するための質問。主にこれからコンサル転職をする方、コンサルに興味がある方向けの質問になります。

すでにコンサルに在籍されている方は、その時点で、多くの方より「コンサルに向いている」といえます。

コンサルファームの採用試験、どれくらいの人が通過しているか、ご存知でしょうか?

実は、とても狭き門です。

【マッキンゼーの場合】
グローバル全体で「毎年100万件以上の応募を受け取り、2024年には約6,000人を採用する予定」(出典:Bussines Insider
採用率は約0.6%です。

もう一つ実例を。

【EYの場合】
グローバル全体で「約470万件の応募を受け取り、そのうち約12万2,000人を採用」(出典:Linkedin
採用率は約2.6%です。

今コンサルに在籍している人は、50~100人に1人しか採用されていない狭き門を通過しています。

採用されたという事実だけで「100%向いている」とはなりませんが、少なくとも「適性があり、将来が期待される」と判定されているのは間違いないと言えます。

もう少し自信を持ってもよいのではないでしょうか?

コンサルティングファームにおける採用の考え方は、マッキンゼーで採用マネジャーをされていた伊賀氏の著書『採用基準』に詳しく記載されています。
「未来のリーダーになれるか」という視点で採用活動をしているようです。

もし、コンサル転職に興味あり、まだ面接すらしたことが無ければ、ぜひチャレンジしてみてください。

実際に面接を受けてみなければ、向き不向きはわかりません。

もちろん事前に対策をしましょう。素質があるのに力を発揮できないのが一番勿体無いです。

コンサルに特化しているエージェントを活用することで、素質を最大限に引き出すサポートが得られます

まだの方はぜひ登録してみてください。

「自分、コンサルに向いていなかった…?」と感じた日からできること

まず基準で判断→その後はどうしたら良い?

向き不向きを判断するための3つの基準を再掲します。

  • コンサルティングという職業で、楽しみ・喜びを何かしら見出せるか?
  • 自身の職位の年数が、ファームの職位ごとの在籍目安年数以下か?
  • コンサルファームの採用試験に通過しているか?

この基準で「向いている」と判断できた場合、取れるオプションは次の2つです。

1つは、「もう少し頑張ってみる」です。もう1つは、「別の道を探す」です。

個人的にはもう少し頑張ってみることをお勧めします。

なぜなら在籍目安年数までは、チャンスが残っているからです。そもそも数%しか採用されない狭き門を潜り抜けているのですから、頑張る価値があります。

その結果、コツを掴んで一気に成長するかもしれません。コツについては次の節で詳しく解説します。

頑張った結果、残念ながら在籍目安を超えても見込みがない、となっても悲観する必要はありません。

3年在籍したことも1つの価値です。身に着けたスキルを活かす先を、新たに見つければ良いのです。

別の道を選ぶ場合も、1つの立派な選択です。

残念ながら「向いていない」となった場合も含めて、これまで頑張ってきた自分をまず褒めてあげてください。

コンサル出身者が増えているとはいえ、コンサルスキルを求めている企業はまだまだ多くいます。

是非より向いている企業を見つけてください。転職エージェントに登録してみて、多くの求人に触れることで見えてくる世界もあります。

転職エージェントの選び方は、別記事に整理したので、是非ご一読ください。

約1.8万字、他のサイトのどの記事よりも徹底的に解説していますので、何かしらお役に立てると思います。

「もう少し頑張りたい。でも辛い」時にできること

「向いている」と判断はできた。でも今時点で辛くて、どう頑張ったら良いのか?

辛い状況の多くは、周囲の人に比べて遅れていたり、顧客に対して価値提供できていないと痛感したりする時ですよね。

私は当時コンサル流の議事録が苦手で、「なぜ議事録すらまともに書けないのだろう…」と日々凹んでいました。

色々やろうにも時間がない。では、どこから手をつければ良いのでしょうか?

それは「顧客が意思決定して動くには何を伝えるべきか?」を考え伝えることをWordに書く、です。

仮説思考も、MECEも、エクセルの分析スキルも、各種ロジも、全てはこれに通じます。

顧客が欲しいのは、「自分が判断するための材料」や「判断した上で動くための材料」です。

言われてみれば当たり前すぎる話ですが、日々のタスクに追われていると意外と忘れてしまうのです。

伝える内容を磨くことに集中してください。

具体的な流れは次の3ステップです。

  • 顧客は何を判断したいのか?何を知ったら判断できるのか?を、顧客に聞く
  • 知りたいことの答えを、Wordの文章で、想像で書く
  • 想像で書いた内容が、妥当である材料を集める。違う場合は修正する

まずは顧客になったつもりで、何を判断したいのか、想像しましょう

イメージ湧いたでしょうか?湧かないですか?

では、お客さんに聞きましょう。答えを作るよりも、聞く方が重要です。

顧客に聞いて、彼らが何を判断したいか、そのためには何を知りたいのか分かったとします。

そのあとは、顧客が知りたいことの答えをA4のワードで1枚書きましょう

この時、調べながらではなく、いきなり書いてください。

本当はMECEだのピラミッドロジックだの色々と考えることはあるのですが、最初は忘れて大丈夫です。
まずは、読んだ時に文章として論理的に成立していることを目指しましょう。

え、書けない?

ここは想像で無理矢理まずは書くのが大事です。

まずは「こうなんじゃないか?」「こうだったらいいよね」と想像で書くことが大事です。これをかっこよく言っているのが”仮説”です。

実は「まず想像で書く」が抜け落ちていることが、成果が出ない大きな要因です。

抜け落ちているのに、分析から始めてしまう。それではお客さんが欲しい答えに辿り着きませんし、無限に時間が溶けます。

書けたら、その想像が妥当かを確かめます

今であれば、情報セキュリティに留意しながら、生成AIに聞くのが最も早いです。

想像で書いた答えを貼り付けて、「こう考えているのだが、妥当?妥当ならサポートするファクトを教えて。違うなら修正して」と一言伝えれば、7割ぐらい完成します。

「顧客が意思決定して動くには何を伝えるべきか?」を考え伝えることをWordに書く

綺麗なパワーポイントを作るより、よっぽど喜ばれます。

【総括】「コンサルに向いてなかった」と思ったら

最後にこの記事のまとめです。

  • つらい状況だからといって、すぐに「コンサルに向いていない」ではない。
  • むしろ、コンサルは常にできないことに挑戦させられるので、辛いのが日常。
  • 向き・不向きは、次の3つのいずれかの基準で判断するのが良い。
  • 基準①「コンサルティングという職業で、楽しみ・喜びを何かしら見出せるか?」
  • 基準②「自身の職位の年数が、ファームの職位ごとの在籍目安年数以下か?」
  • 基準③「コンサルファームの採用試験に通過しているか?」
  • 基準で判断して”向いている”ならば、もう少し頑張ってみても良いのでは。
  • コツは、「顧客が意思決定して動くには何を伝えるべきか?」を考え、伝えることをWordに書く。
  • もし向いていなかったとしても、頑張ってきた経験が活きる。エージェントへの無料相談も有効。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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