【転職前に知る】大手コンサルでも胡散臭い?元コンサルが実情を解説

  • コンサルへの転職に興味あるけど、巷で胡散臭い、詐欺師、など言われていて不安
  • 大手コンサルファームでも、胡散臭いと言われてしまう仕事内容なのだろうか?
  • 転職前に気をつけるべきことがあれば知っておきたい

転職でコンサル業界を考える際、「コンサルタント」や「コンサルティング」という言葉の世間イメージが良くないことが気になりますよね。

個人であっても資格不要で、誰でも名乗れてしまうのがコンサルタントという職業です。結果、有象無象のコンサルタントで溢れている世の中ですので、胡散臭い・怪しいと言われても一定仕方ない部分も理解できます。

では、転職先の候補に上がるような大手・有名コンサルならば、胡散臭さは無いのでしょうか?

大手や有名なコンサルファームは経歴詐称等の法令違反を当然していませんし、巨大な産業になるだけの実績があります。

しかし、「大手なら胡散臭くない」とは必ずしも言い切れないのが実情です。

この記事のポイント

  • 胡散臭いと言われるのは、「大したこと言ってないのに偉そうだし、費用が高い」から。すなわち、「費用対効果」と「振る舞い」が問題。
  • 大手コンサルであっても、「費用対効果」は不満になりうる。大手の場合、費用は相場があるので、アウトプットの問題に帰結する。
  • アウトプットで不満になるのは、ゴール(=答えるべき問い)とプロセス(=答えの出し方)の2つで顧客と合意する難しさがある。
    • ゴール合意の難しさは、「深く考えていない顧客と、抽象度の高いゴールを合意する難しさ」
    • プロセス合意の難しさは、「様々な制約がある中で、推論の確からしさを合意する難しさ」
  • 基本的にはパートナーや営業チームが顧客と握るが、合意が緩いケースも0ではない。
  • 合意が緩い場合は、プロジェクトマネジャーの力量次第で不満につながる恐れアリ。

外資系戦略コンサルと日系大手クライアント双方を経験した筆者が、胡散臭いに繋がる顧客の不満を解説します。ぜひ最後までお読みください。

大手・有名コンサルの定義は一般的に定まっていません。
この記事では、東洋経済ダイヤモンド等のコンサル特集に載っているような企業群をイメージしてお読みください。

目次

大手でもコンサルが胡散臭いのは費用対効果が問題

前提:コンサル市場は成長中。マクロでは顧客ニーズに応えている

まず大前提ですが、コンサル市場は成長しています。コンサル市場の成長を牽引している大手が「胡散臭い」ことは、マクロで見ればありません。

大手・有名コンサルが牽引するコンサル業界は、ご認識の通り、その市場を拡大し続けています。

  • 2023年度のコンサル市場は前年比9.5%増の2兆円超え
  • 総合系と戦略系が市場規模を支える。CAGR15%以上
  • 2030年までにさらに25%成長する見立て
コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社

コダワリ・ビジネス・コンサルティング社のポジショントークである可能性も0ではないですが、コンサル業界は成長し続け、その成長は大手・有名コンサル会社が牽引しているといえます。

私がアクセンチュアにいた頃は数千人でしたが、今では2.5万人と何倍にも拡大しています。

大手コンサルティング会社の顧客は事業会社だけでなく、政府・自治体なども多数存在します。もし仮に、コンサル業界そのものが本当に「胡散臭い」業界であれば、成長を続けることは無いです。

「コンサル=胡散臭い」という単純な図式は全くの誤解ですので、まずはご安心ください。

「コンサル胡散臭い」は、費用対効果と振る舞いへの不満

  • マクロで見れば問題ないのは理解した
  • しかし、実際に「コンサルって胡散臭い」と言われているのを見聞きしたことがある。
  • 胡散臭いと言われる状況はどう考えればよいのか?

改めて、「コンサルが胡散臭い」と言われる状況を、X(旧twitter)やYahoo知恵袋などのコメントでよく読んでみると、大体下記のような不満とセットです。

  • 「一般論しか言わない」
  • 「現場をわかってなくて混乱させるだけ」
  • 「フィーが高い」
  • 「成果がわかりにくい」
  • 「責任を取らないから好き放題言える」
  • 「無資格で誰でも名乗れる」
  • 「高圧的で上から目線」
  • 「横文字多すぎ」  …等

様々なことを言われていますが、大別すると「費用対効果」と「振る舞い」への不満に集約されることが分かります。

費用対効果への不満は、コンサルのアウトプットに対して金額が釣り合っていないことを指します。

一般論で、現場を理解せず、成果がわかりにくく、無責任に適当なことを言っているアウトプット。一方でフィーは高いのであれば、不満が溜まるのも理解できます。

もう一つの振る舞いへの不満は、アウトプットに直接は関係しない、コンサルの言動への不満です。

「誰でも名乗れてしまう」という性質や、「高圧的な態度」「横文字多すぎ」と言ったコミュニケーションのあり方を指摘している場合は、こちらが問題視されています。

まとめると、コンサルが胡散臭いと思われるのは、「大したこと言ってないのに金額が高いし、何故か偉そう」という不満の表れと言えるしょう。

大手コンサルは振る舞いは問題ない

大手・有名コンサルに絞った場合、基本的に振る舞いは問題ないと考えてよいでしょう。

大手コンサルではプロフェッショナリズムが会社の文化として根強く浸透しており、適切な振る舞いができるかを採用時点で厳しくチェックするためです。

弁護士や税理士などの士業と異なり、コンサルタントは資格不要で誰でも名乗れます。

有象無象にならぬよう、昔からコンサル会社は自らを他の士業と同列に位置付けて、士業と並ぶようなプロフェッショナリズムを自らに課してきました。

弁護士事務所(law firm)や会計事務所(accounting firm)と同じように、コンサルファーム(consulting firm)と言われる所以です。
なお、マッキンゼーやベインが、McKinsey&Company、Bain&Companyなのはご愛嬌です。

プロ意識のベースは顧客ファースト。フィーに見合うだけの価値を顧客へ提供することを徹底的に刷り込まれます。

価値を提供するためには、当然顧客に信用第一。高圧的な態度をとることや横文字だらけで分かりにくく伝えることは、価値を出すことへの障害にしかなりません。

結果、プロ意識の徹底をしている大手であればあるほど、振る舞いは洗練されていきます。

コンサルファームでは入社後は当然のことながら、入社前であってもプロ意識を高く要求してきます。

会社説明会・内定式・内定者向けの集まりといった入社前のイベントでも、「プロとは?」のような話を何度も聞かされ、印象的でした。

入社前から「プロ意識があるか?」という観点で候補者を各社見ています。採用されている時点で問題ないと言えるでしょう。

大手コンサルで気にすべきはアウトプットの費用対効果

大手コンサルで気を付けるべきは「費用対効果への不満」です。

コンサルへの費用対効果は、期待値と費用のバランスとも言えます。大手コンサルの費用は、相場観がある程度形成されていますので、問題になるのはアウトプットです。

顧客は、「大手コンサルのアウトプットはこんなもんだろう」と期待値を持って依頼してきます。

大手コンサルであればアウトプットレベルは最低限は担保されていますが、顧客の期待値とのバランスで満足・不満足が決まるため、どうしても不満が発生することを避けられません

もちろん不満が発生しないようにチーム体制を組んでいます。

チーム体制は大きく分けて①パートナーが営業からデリバリーまで全て見る従来型と、②営業とデリバリーでチーム自体を分けてしまう分業型があります。

従来型であれば、パートナーがプロジェクトのアウトプットにも目を光らせてはいますが、パートナーは案件を複数抱えているため、強弱は当然あります。

分業型であれば、仕事を取ってくる営業がデリバリーのアウトプットまで逐一確認しないため、従来型に比べて営業時の期待値との乖離が発生しやすい構造です。

従来型・分業型のどちらでもプロジェクトの主担当マネジャーがアウトプットを作っています。

突き詰めていくとアウトプット品質はコンサルタント個人に左右されます。ここが大手であっても胡散臭いという不満につながる要因です。

次の章では、コンサルの費用対効果の実態を具体的に明らかにして、不満が発生する状況を解説します。

捕捉:大手コンサルはノウハウが豊富?

大手コンサルであれば、ノウハウが溜まっていて、効率よく仕事を進められるイメージをお持ちかもしれません。

実際は、かなりの部分が暗黙知となっています。

暗黙知になる理由は、コンサルティングが個別企業の特殊解を作る仕事であるというそもそもの特性と、個別の顧客情報をマスキングして社内共有することへの面倒臭さの2点が主に挙げられます。

もちろん各社ノウハウを溜めて効率化していきたいとは考えていますし、生成AIにより動きが加速する可能性は高いです。

最新のアクセンチュアの発表では「コンサルタントがプレゼンテーションをまとめるといった定型的な作業をAIに代替させる取り組みを進めている」(出典:Bloomberg)とあるので、コンサルティングの中身そのものを形式知とする途上と言えそうです。

逆に言うと、AI時代でも簡単には代替されない部分が残っているとも言えるでしょう。

大手コンサルでも”胡散臭い”となりうる合意の難しさ

大手のコンサル費用は数千万〜億円単位

費用対効果の中身を語る上で、まずは前提となるコンサル費用から解説します。ご存じの方は飛ばしていただいても構いません。

大手のコンサルのコンサルティング費用は安くても数千万、高ければ数億円にもなります。

コンサルティングビジネスは、人月ビジネスです。必要工数x工数単価+経費で、プロジェクト費用が決まります。

プロジェクトごとの必要工数は、各社とも過去の実績を基に積み上げています。「パートナー10%、マネジャー50%、スタッフ100%」のように役職と割合を定めます。

工数単価は、大手コンサル会社であれば各社レンジを定めています。顧客側も単価レンジを認知しているため、大手コンサルであれば、ある程度相場が定まっています。

1ヶ月の工数単価イメージ

  • アナリスト/コンサルタント:150~250万円程度
  • シニアコンサルタント/マネジャー:250~450万円程度
  • シニアマネジャー/プリンシパル:450~600万円程度
  • パートナー:600~1,000万円以上

(※実際の単価は会社次第)

例えば、「パートナー10%、マネジャー50%、スタッフ2名・100%で、3か月のプロジェクト」の場合を考えてみましょう。

単価を仮置きすると「パートナー1,000万円×10%+マネジャー400万円×50%+コンサルタント200万円×2名×100%=700万円/月。3ヶ月で2,100万円」になります。

経費はレポートやインタビュー、アンケートなどの調査系の実費に合わせて、各種交通費などの必要経費分です。

人件費に経費も合わせると、例示したプロジェクトは2,500万円のような数千万円規模のプロジェクトになります。

世の中にはもっと大きな金額のコンサルティングプロジェクトもあります。

例えば、英銀のバークレイズがマッキンゼー依頼したコスト削減プロジェクト。

英銀バークレイズは、投資銀行部門の簡素化と数億ドル規模のコスト削減策の検討を目的に、コンサルティング会社マッキンゼーを起用

Bloomberg 2025年6月17日

マッキンゼーを始めとして、コンサル業界では「顧客への提案は、請求する費用の10倍以上の価値があるか?」という基準があります。

基準に当てはめると、バークレイズで数億ドルの削減できるか調べるのであれば、少なくとも数百万ドル(数億円)のコンサル費用をかけている可能性が高いです。

もちろん、簡単な調査プロジェクトで1,000万円しない場合や、後続のシステム開発を取りに行くためにあえて安い金額で上流の要件定義を取る場合もありますが、メインではありません。

まず前提となる相場観は、数千万円単位が多いことをご認識いただければと思います。

コンサルは成果を保証しない。あくまで業務遂行が仕事

「数千万円の費用をかけるなら、それだけの成果を保証してほしい」
ーこのように考える人がいてもおかしくないでしょう。

しかし、コンサルティングは成果を保証しません。コンサルのアウトプットは、あくまでプロとして誠実に業務を行うことなのです。

ご存じの方も多いと思いますが、業務委託には「準委任契約」と「請負契約」の大きく2種類が存在します。

準委任契約は、誠実に業務を行うことへの費用を払う契約です。プロ基準で誠実に業務が行われていることが重要になります。

一方、請負契約は、仕様通りに完成させることへ費用を払う契約です。極論、契約書に記載のモノを完成させればOKで、そのプロセスは問われません。

コンサルティングのように、コントロールできない要因の影響が大きい業務は、準委任契約になります。

例えば、売上を上げる方法を考えることはできますが、実際に売上が上がるか?は、やってみなければわかりません。
一方、システム開発は、仕様が明確に定まっていて必要工数さえ投下できれば、基本的に完成させることができます。

コンサルティングができることは、成果の実現可能性が高い方法を提示することまでです。

もちろん、大手コンサルに発注するような事業会社や政府、自治体は、コンサルティング費用が業務遂行に対する費用であることは認識しています。

巷で言われるような「成果を保証しないから胡散臭い」は、大手において原理的にあり得ません

顧客が不満になるのは、業務遂行そのものにあります。

ゴール=答えるべき問いと、プロセス=答えの出し方の2つを顧客とすり合わせきれていないから、不満になるのです。

しかし、すり合わせには難しさがあるのも実情です。

次節ですり合わせの難しさを詳しく解説します。

補足:成果報酬型のコンサルプロジェクトは?

世の中には成果報酬型のコンサルプロジェクトも存在します。

「コストが下がった分の10%を支払う」「売上の5%を支払う」のような定量的に分かりやすいものもあれば、「参入すべき市場が明らかになっていること」のような定性的な基準もあります。

成果報酬型のコンサルティングプロジェクトも、基本的に成果を保証するわけではないです。

あくまで基準に応じて費用が増減することが定まっているだけであり、それ以外の責任が問われることがありません。

成果目標を下回るとプロジェクト利益率に直結しますので、もちろんコンサル側は必死になります。

不満要因①:ゴールの合意不足 〜深く考えていない顧客との合意の難しさ〜

ゴール(=答えるべき問い)の合意不足が発生してしまうのは、あまり深く考えていない顧客と、抽象度の高い”答えるべき問い”を合意する難しさに理由があります。

実は、大手コンサルが相手にするような大手事業会社でも、顧客側があまり深く考えずにコンサルに依頼するケースが普通にあるのです。

「忙しくて考えられていない」「専門性がなくて考えられない」という状況もありますが、「コンサルにふわっと伝えれば、よしなにやってくれるでしょ」という考えを持つ顧客も残念ながら一定います。

他にも、役員のただの思い付きに最小工数で答えるために丸投げする場合や、年度末の予算消化のためにとりあえず依頼する場合など、実に様々な理由でコンサルに依頼をしてきます。

「〇〇市場について概要を知りたい」のような”ふわっとした依頼”を見たこともありました。
役員が深く考えずに発言した内容を拾っての依頼だったようです。

「深く考えずに済ませたい顧客に、抽象度の高いことを考えさせる」という難易度の高さがゴール合意にはあるのです。

深く考えていない顧客でも、出てきたアウトプットを評価することは容易です。提案段階やプロジェクト初日に顧客とのすり合わせが不十分だと「思っていたのと違う」と平気で言われてしまうのです。

補足:ゴールを合意する際の注意点(一例)

合意する際に気をつけるべき注意点は様々ありますが、1つご紹介します。

注意点の1つに、「顧客の協力がどこまで必要なゴールなのか?を確認する」ことがあります。

大手コンサルに依頼するような大企業の抱える問題は、コンサルに丸投げでは答えを出せないものが大半です。

顧客側の協力が必要なゴールにも関わらず、協力が得られないのであれば、原理的に答えの出せないゴールとなってしまいます。

ゴール設定の時点で軌道修正必須のケースですので、注意が必要です。

例:「新たに参入すべき市場を知りたい」というゴールの場合

  • 一般的に、「市場の魅力度」と「自社の強み」の掛け合わせで答えを出すことが多いですが、問題となるのは自社の強みの分析です。
  • 大企業であればあるほど、公知情報で「自社の強み」を知ることに限界があるため、顧客側が情報提供や関連部署への橋渡しを行う必要があります。
  • しかし、「顧客側が適切な協力をしてくれない」という場合も少なくないのです。
  • 協力してくれないのであれば、「市場の特徴だけでも調査する価値があるのか?」を問う必要があります。

不満要因②:プロセスの合意不足 〜推論レベルの合意の難しさ〜

ゴール(=答えるべき問い)を無事に合意できても、プロセス(=答える方法)まで合意できていないと後々の不満につながります

プロセスの合意で難しいのは、コストや時間、技術など様々な制約がある中で、推論の確からしさを合意する点です。

大手コンサルのプロジェクトで扱う複雑な問題は、答えがひとつに定まらないだけでなく、その確からしさにも幅があります。なぜなら、コンサルティングのアウトプットは、ロジックとファクトを積み重ねて出した、推論的な答えだからです。

一方、顧客は無邪気に「確度が高い情報がほしい」と思っています。しかし、どの程度の確からしさが必要なのか、その確度を出すにはどれくらい大変なのか、顧客は具体的なイメージを持っていないことが大半です。

答えの確度と必要コストのバランスをイメージできないからこそ、コンサルに依頼しているとも言えます。

顧客側と答えを出す方法まで明確に合意しておかないと「根拠が薄い」や「イメージと違う」等、後々言われてしまい、結果的に不満につながってしまうのです。

では、顧客に対して、答えの出し方の選択肢を全て列挙し、ひとつずつ確認して合意すれば良いのでしょうか?

大手の取り扱う問題は複雑なため、ひとつ一つ答えの出し方を確認していたら時間がいくらあっても足りません。「よしなにやってほしい」が顧客心理ですので、顧客もうんざりするでしょう。

コンサルタントは、顧客ごと・プロジェクトテーマごとに本当に確認すべきポイントに絞って、答えを出す大変さとセットで答えの確度レベルを擦り合わせていく必要があります。

補足:推論レベルの幅の具体例

具体的にイメージを持つために簡単な例をお示しします。

例えば、「市場規模を知りたい」というゴールに対して、推論レベルを考えてみましょう。

市場規模の出し方だけでも、いくつも方法が存在します。

【市場規模の出し方】

  • 5分ほどで超ざっくりフェルミ推定で出す
  • フェルミ推定に使った変数に対して、実際の公開データを当てはめて計算する
  • フェルミ推定に使った変数に対して、独自のアンケートやインタビューで得たデータを当てはめて計算する
  • フェルミ推定せず、ネット上に落ちている無料レポートの数字をそのまま引っ張ってくる
  • 有料レポートを購入し、レポートの数字をそのまま引っ張ってくる
  • 当該市場のデータがないので、類似市場のレポートの数値を引っ張ってくる
  • 推定した値を有識者に見せ、違和感がないかを確認する …等

さて、顧客が知りたい市場規模は、どの方法で出した市場規模でしょうか?

仮に、顧客が思っている市場規模が「フェルミ推定の要領でロジックを組んだ上で、各変数に対して1次データを積み上げた市場規模」だとします。

一方、コンサルが「5分でざっくりフェルミ推定した市場規模」を出した場合、顧客からしたら「手を抜いた」となるでしょう。

しかし、どちらも市場規模の出し方ですし、目的によってはコンサルが出した方法で十分な場合もあります。

”答えを出す大変さ”とセットで、答えの出し方を顧客とすり合わせることが重要です。

大手であれば基本的に顧客と合意し切るが、合意が緩いケースも0ではない

アウトプットに関して次の2点が難しさのポイントです。

  • ゴール合意:「深く考えていない顧客と、抽象度の高いゴールを合意する難しさ」
  • プロセス合意:「様々な制約がある中で、推論の確からしさを合意する難しさ」

大手コンサルのパートナーや営業チームであれば、基本的にきちんと上記2つの合意を顧客としてきます。プロジェクトキックオフの重要性も理解しているので、プロジェクトマネジャーのアウトプットを厳しくチェックします。

とは言え、合意やチェックが甘い状況も0ではないのが実態です。

パートナーや営業担当は複数の案件を抱えているため、あまり力をかけていない案件も当然あります

顧客との関係性で、ぬるっと案件獲得してしまう場合も実際にはあるでしょう。特に年度末の予算消化と被る場合など、双方の利害が一致してしまうケースは0とは言えないです。

パートナーや営業チームがきちんと合意・チェックできていない場合、マネジャーがなんとかする必要が出てきます。
しかし、難易度が高いポイントですので、力量不足から不満の要因になりるうのです。

各社のプロジェクトの進め方の実態がどうなっているかを知るには、コンサル特化の転職エージェントに聞いてみるのが最も確実でしょう。転職を検討されている方は、ぜひ転職エージェントに無料登録して確認してください。

コンサル実務に詳しい転職エージェントの選び方を別記事で解説しています。あわせてお読みください。

「コンサルって胡散臭い」の実情を総括

最後に、この記事のまとめです。

この記事のポイント

  • 胡散臭いと言われるのは、「大したこと言ってないのに偉そうだし、費用が高い」から。すなわち、「費用対効果」と「振る舞い」が問題。
  • 大手コンサルであっても、「費用対効果」は不満になりうる。大手の場合、費用は相場があるので、アウトプットの問題に帰結する。
  • アウトプットで不満になるのは、ゴール(=答えるべき問い)とプロセス(=答えの出し方)の2つで顧客と合意する難しさがある。
    • ゴール合意の難しさは、「深く考えていない顧客と、抽象度の高いゴールを合意する難しさ」
    • プロセス合意の難しさは、「様々な制約がある中で、推論の確からしさを合意する難しさ」
  • 基本的にはパートナーや営業チームが2つとも顧客と合意しきるが、合意が緩いケースも0ではない。
  • 合意が緩い場合は、プロジェクトマネジャーの力量次第で不満につながる恐れアリ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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