- 自分はこんだけ努力しているのに全然できない。一方、すぐできてしまう人がいて悔しい。
- 自分は地頭が悪いのでは。今後も頑張って本当に報われるのだろうか…?
目標に向かって自分なりに頑張っているのに、結果が出ないことや他人と比べて劣ってしまうこと、ありますよね。
受験や資格試験だけでなく、コンサルへの転職を考えていても、「辞めた方が良いのかな…」とあきらめたくなる気持ちも良く分かります。

私は新卒で外資系の戦略コンサルに入りました。
これだけ見れば「地頭が良い」と思われがちですが、入ってからは周囲の人に比べて出来ないことも多く、日々凹んでばかりいました。
その後、私は外資系戦略コンサルで同期より早く昇進し、スタートアップ、日系大手事業会社と転職してキャリアを積み重ねた結果、今ではこう考えることが多いです。
「自分は地頭が悪い」と思う人の方が、努力もできるし客観視できているので、むしろチャンス
新卒当時悩んでいた自分と同じように「地頭の悪さ」を感じて日々悩んでいる方に向けて、「地頭が悪い」という価値観への向き合い方を、私自身の経験も踏まえながら解説します。
これを読むことで、不必要に悩むことがなくなり、明日からの活動のヒントになるはずです。
ぜひ最後までお読みください。


「地頭が悪い」は幻想


地頭とは、そもそも何か
そもそも、「地頭」とは何でしょうか?
Wikipediaによると、地頭とは「知識と教養や経験ではない天性的な地の頭の良さ」とのこと。
ここでいう「地の頭の能力」は、論理思考力や計算力、記憶力、発想力、言語能力などが考えられるでしょう。



様々なシーンで使える、汎用性の高い能力ですね。
地頭の意味に”天性的な地の頭の良さ”とあるように、生まれ持った才能や、努力では達成できない能力のようなニュアンスを持つ言葉であると分かります。
「この人、地頭が良い」「それに比べて自分は地頭が悪い」と思うのは、多くは自分より他人の方が問題を早く正確に解いていたり、優れたアイデアを出せていたりする時などでしょう。
特に年齢が自分に近ければ近いほど、「自分は全然できないのに、何故できるの!?」と驚きや焦り、嫉妬等の感情と共に、地頭の良し悪しを感じていると思います。
そのような時に引き合いに出されるのが「地頭」です。
生まれ持った能力「だけ」の人はいない
さて、ここで少し落ち着いて考えてみてください。
自分と他人の差分は本当に地頭、すなわち生まれ持った能力「だけ」なのでしょうか?
赤ん坊であれば確かに生まれ持った能力差がほとんどでしょうが、赤ん坊でなければ、できる・できないを決めるのは経験や努力の差です。
人類がまだ誰も到達していない領域であれば別ですが、先輩や上司など、周りにできる人がいるのであれば、基本的には時間を掛けて誰でも身につけられる内容と言えます。



そもそも身につけられるものでなければ、「教育」なんて概念は廃れてしまっているはずです。
「いや、同じ年齢であってもできる人と、そうでない人がいるではないか?」という反論もあるでしょう。
ここで理解しておくべき点は、同い年でも知らず知らずのうちに差がついている点です。
例えば、仕事でのアイデア力。
自分じゃ到底思いつかないようなアイデアや視点を持っている人に対して、天性的な能力を感じるかもしれません。
しかし、実態はそれまであなたの何倍もアイデアを考えたり、様々な事例を知っていたりするだけだったりします。
私自身、「よくそんなアイデア思いつくね」と驚かれることが多いです。
しかし、昔はアイデアを出すことが得意ではありませんでした。上司からも「君はアイデア出しになると途端に弱いな」と評されていました。
現在アイデアを出せるようになったのは、苦手であることを自認し、人よりも多く事例やアイデア出しの方法論を学んできたにすぎないのです。
勉強も同様です。
日常生活の中で考える癖や調べる癖がついている子供は、そうでない子供に比べて、新しい勉強をさせても吸収率が変わります。
何も経験は算数などの教科を直接経験している必要はありません。たとえゲームであっても、人より深く考えて遊んでいた結果、算数の問題も簡単に理解して解けるようになってしまうケースもあります。



ある程度年齢を重ねていれば、生まれ持ったものではなく、これまでの経験や努力の影響がほとんどになることを、まずはご理解いただければと思います。
地頭が悪いから結果が出ないわけではない


前章では生まれ持った能力である「地頭」で結果が決まるのではなく、これまでの経験や努力によって変わってくるとお伝えしました。
ここではさらに具体的に、「結果が出るor出ないの分かれ道はどのようなものか?」解説します。
具体的には次の3点を順番に解説します。
- 経験や努力の累積量
- 経験や努力の方向性
- タイミング・運
経験や努力の累積量
期待する結果が出る・出ないの分かれ道に大きく寄与するのが「経験や努力の累積量」です。



「何事も1万時間やればプロ級になる」はよく聞きますよね。
ここでのポイントは2つあると考えています。
- 努力だけでなく経験も含まれること
- 今日までのすべての蓄積量であること
①無意識な経験の重要性
当然結果を出すには努力することが必要ですが、残念ながら意識的な努力だけでは決まらないです。
日々何気なくしている経験、本人が無意識でしている経験が、最終的な結果を分けていることが多々あります。



国語の勉強をほとんどしていないに何故かテストで高得点取れる子は、実は読書が大好きで毎日本を読んでいた、なんて話はよく聞きますよね。
意識・無意識関係なく、結果につながる行動をどれだけしたか?で決まるのです。
②これまですべての蓄積量の重要性
冒頭もお伝えした通り、何事もこれまでの蓄積量がモノを言います。
特に、蓄積すればするほど複利で利いてくるのがポイントです。
100を知っている人が新たに1を学ぶのと、1万を知っている人が新たに1を学ぶのでは、同じ1を身につけるのにかかる時間は後者の方が圧倒的に速いです。
何故なら、1万を知っている人は1万を身につける上で様々な工夫をしてきているので、未知のことを学ぶ方法も磨かれていることが多いからです。
私自身、昔は理系の受験勉強ばかりして全然本を読みませんでした。結果、現代文は苦手でした。
そんな私も社会人になってからは必要に迫られて毎月10冊以上は読んできました。
先日、ふと現代文の問題を書店で見たのですが、「こんなに簡単だったの!?」と驚いた記憶があります。
現代文の勉強を大学入試以降一切していないのに、現代文が解けるようになるという不思議な感覚でした。
意識的な努力を最近始めて急に伸びるタイプは、生まれつきの地頭ではなく、これまでの無意識の経験が膨大にあった、と理解するのが自然です。
経験や努力の方向性
結果が出る・出ないの分かれ道において経験や努力の蓄積量は重要ですが、経験や努力の方向性も忘れてはいけません。
ここでのポイントは、2つです。
- 本質的に意味があることは大変でもやる
- 真逆に進んでいなければ良しとする
①本質的に意味があることは大変でもやる
特に努力する時ですが、本質的に意味があることをできているかどうかが重要です。
この時に時間がかかることや大変なことを大抵の人は避けたがります。「より効率的にやりたい」と思うので当然でしょう。
しかし、効率性ばかり求めて、「できることからやる」という人は、欲しい結果を得られないことが多いです。
自分が楽しているかどうかは、自分が一番わかるはずです。
本来するべきことをできているかどうかが、結果が出る・出ないの大きな分かれ道になります。



では本来するべきことをどのように見極めたら良いのでしょうか?
②真逆に進んでいなければ良しとする
この時に重要になるのが2つ目の「真逆に進んでいなければ良しとする」という考え方です。
何故ならこれから身につけようとしている時点では、何が本質なのかを見極めることが難しいからです。
最初から最短ルートを選ぶことは難しいので、まずは真逆な方向に進むことだけを避けましょう。
例えば、仕事において、顧客ファーストではなく自社の論理を「それっぽく正当化」してしまうのは避けるべき行動です。
他にも覚えないといけないのに覚えない。逆に理解が重要なのに丸暗記してしまう。このケースも明らかに真逆に行っていますので、避けるべきでしょう。
先輩や先生、書籍などで「こうするのは良くない」と言われているは少なくとも避けましょう。「こうした方が良い」は、まずは素直に受け入れてみましょう。



真逆にさえ行っていなければ、多少遠回りであっても、いつかたどり着けます。
タイミング・運
経験や努力を適切な方向で積み上げていっても結果が出ないことはあります。
残酷ではありますが、タイミングや運に左右されてしまうのが人生です。
しかし、こればかりはどうしようもないこと。
そもそも、結果が必ず出るとわかっていれば、誰だって努力できます。
「結果が出ないかもしれない」という不安がある中でも続けられるから尊いのです。
自分の力でコントロールできないことをあれこれ考えても仕方ないので、経験や努力を適切に蓄積することに全力を傾けましょう。



人事を尽くし切って天命を待つことが重要です。
人事を尽くし切れば、結果が出なくても次へつながります。
地頭が悪いと感じたらどうしたらいいか?


ここまで読まれた方は、地頭という呪縛から解き放たれつつあります。
しかし、そうは言っても「地頭が悪い」と悩む方がいることも無理はありません。
何故なら、地頭が悪い感じる時は、欲しい結果が出ていない時だからです。
結果が出ずに落ち込んでいる時は、ネガティブ思考になります。頭でわかっていても、気持ち的に理解が追いつかないのです。
この章では、「地頭が悪い」と感じた時にできる4ステップを順番に解説していきます。
- まずはチャンスと捉える
- 目標を具体的に決める
- 結果を出す方法を調べる
- 期間を決めて全力で続ける
ステップ①:まずはチャンスと捉える
ステップ①は「地頭が悪いと感じたことをチャンスと捉える」です。
これは精神論だけでなく、実際にチャンスと言えるのです。
なぜなら、
- 「地頭が悪い」と感じるのは、一定の努力をした上で失敗している
- 「自分はできる」思いこまず、自らを客観視できている
からです。
自分なりに頑張った人ほど、「これだけ頑張ったのに報われない。自分は地頭が悪いに違いない」と考えがちです。
しかし、世の中、実際にやってみる人が非常に少ない中で、目標に向かって頑張ったことは大きな財産です。
まずは、自分には頑張る才能があることを認識しましょう。
そして「地頭が悪い」と感じている人は、自らを客観視できている点もチャンスです。



明らかにできていないのに、自分を客観視できずに「できる」と思い込んでいる人が世の中には意外といます。
特に社会人だと「偏差値」のようなわかりやすい評価軸はなく、そもそも評価観点も様々になるため、学生時代のようには評価できないのです。
「地頭が悪い」と感じている人は、自分の至らなさを客観的に見えている分、伸び代があります。
一方、注意点もあります。
「地頭が悪い」と感じている時は、どこか「諦めモード」に入ってしまっています。
意識しているかわかりませんが、心のどこかで「生まれ持った才能がないから仕方ない」と諦めている自分がいるです。
ここで諦めてしまうのは個人の自由ですが、もし「なんとかしたい!」と思うのであれば、チャンスと捉えて次のステップに進むことをお勧めします。
ステップ②:目標を具体的に決める
ステップ②をお読みの方は、「地頭が悪い」と落ち込んでいる中でも、「まだチャンスがある」と捉えて前向きになれていることでしょう。



マインドを変えられている自分をまずは褒めてあげてください。
その上で改めて目標、すなわち出したい結果を具体的に決めましょう。
具体的に決める上で大事なのが、「何が・いつ・どのような状態になっているか?」を言語化することです。
例として、「自分は地頭が悪く、ロジカルシンキングができない」という悩みを考えてみます。
「ロジカルシンキングができるようになる」という結果はかなり抽象的です。
「ロジカルシンキングができる」とは具体的に、何が・いつ・どのような状態になっているのでしょうか?
様々な状態を考えられますが、例えば「顧客に出せるレベルの市場分析レポートを、6か月後に自力で書けるようになる」「3か月以内にコンサルファームのケース面接を、少なくとも1回突破する」などがあるでしょう。



「ロジカルシンキングができる」よりもはるかに状態をイメージしやすいですよね。
この際、「自ら決めた目標が本当に適切か?」は一旦無視してOKです。
なぜなら、ゴールを決める今の時点で「自分の今のスキルで達成できるのか?」や「達成したいレベルが低すぎるのでは?」等、考え出えたところで答えが出せないからです。
次のステップ③にて実現する方法を調べて、必要あればその時にステップ②に戻って修正すればいいのです。
まずは自分がありたい姿を、可能な限り具体的に言語化してみましょう。
ステップ③:結果を出す方法を調べる
出したい結果を具体的に決めた後は、その結果を出すための方法を調べます。
ポイントは、次の2つです。
- 考えるのではなく「調べる」
- 「その方法に必要な時間数」も調べる
「地頭が悪いかも」と悩むような大抵のケースは、自分よりできる人と比較しているケースです。
自分の身近のできる人が大谷翔平クラスの超天才なケースも0ではありませんが、自分とその人の差分のほとんどが経験と努力の差です。
目の前にできる人がいるのであれば、どういうことをやっているのか、勇気を出して聞いてみましょう。



その時、明確な努力としてやっていない場合もあるので、日々の行動も併せて聞けるとベストです。
身近にいない、もしくは聞いても明確な答えが返ってこない場合は、別の方法で調べます。
例えば、コンサル転職を考えているのであれば、コンサルに特化した転職エージェントに無料登録して相談するのも1つの方法です。
コンサル特化エージェントは数多くのコンサル転職希望者を見てきて、実際に転職させてきています。
様々な候補者の状況に応じた方法論を熟知しているのです。
より良いコンサル特化エージェントを選ぶ方法は別記事で解説していますので、ぜひあわせてお読みください。


調べた結果、「なんか目標として置く結果が微妙かも」と思ったら修正すればいいのです。
- 目標レベルが高すぎて、実現不可能・時間がかかりすぎる→目標を下げる
- 目標レベルが低すぎて、あっさりできてしまう・物足りなく感じる→目標を上げる
2~3回、目標とする結果決めと実現方法を行ったり来たりすると定まります。
ステップ④:期間を決めて全力で続ける
ステップ③で実現方法が決まったら、あとは決めた期間、全力で続けます。
この時のポイントはステップ③で調べた「必要な時間数」は少なくとも絶対に継続することです。
例えば300時間必要な方法を取った場合、毎日3時間ずつやっても100日かかります。この時、100日必要なのに50日で諦めてしまうのが非常に勿体ないです。
何故続けられないのか?
それは「成果は右肩上がりに直線的に出てくる」と思っているからです。



もちろん直線的に伸びるパターンもありますが、私の経験的には「ずっと停滞し、あるとき急にできるようになる」ことが多いです。
自転車のように、コツを掴むまではできないが、掴んでしまえば一気にできるようになる感覚です。
そのために100日かかるのであれば、まずは100日間続けてみてください。
もし100日もかけられない、と言うのであれば、もっと効率の良い方法を探すか、目標を変更するかの2択です。
しかし、これだけ情報が溢れている世の中。信頼のおける情報ならば、大抵良い方法なはずです。
結局、最後は自分の覚悟次第となります。
それでも結果が出ない自分は地頭が悪い?どうすれば…?


「地頭が悪い」と自認した後に、まずはチャンスと捉え、目標を具体的に決め、結果を出す方法を調べた上で、期間を決めて全力で続けたとしましょう。
それでも結果が出ないことは必ずあります。
ここまで来たら取り得る選択肢は2つです。
- 方法を変えてみる
- 目標を変えてみる
順番に解説します。
①方法を変えてみる:方法は沢山ある
1つ目の選択肢は、結果を出すための方法を変えてみるです。
なぜなら、きちんと方法を調べて必要な時間をしっかりやっても、次のような様々な理由から結果が出ないことが沢山あるからです。
- 自分に合わない方法であった
- 自分では頑張ったつもりだが、やるべきことをやれていなかった
- 方法自体がそもそも間違っていた
やっぱり地頭が悪いんじゃないか?
ここで地頭の問題に戻ってしまうのは非常に勿体ないです。
一度最後までやり切ったのであれば、身に着けていることが増えています。
結果は出なかったかもしれないですが、過去の自分ではもうありません。
方法は沢山あります。もう一度、結果が出る方法を調べなおしましょう。
一度やり切っているからこそ、結果を出すための方法を調べるとき、見るべきポイントも洗練されています。
②目標を変える:諦めたってOK
もう一つの選択肢は、目標自体を変更するです。
目標を変えることは、何も悪いことがないのです。
長い人生において、何が正しい選択だったかは究極最後までわからないからです。



人間万事塞翁が馬、ですね。
そうは言っても、目標を変えることは心理的な負担が大きいのも事実です。
例えば、今のまま仕事していても成果が出せない・やめたいと思っても、辞められない人が多いですよね。
なかなか仕事を辞められない方は、次のような自分の気持ちと向き合う必要があります。
- 今のキャリアで得られるはずのことを、得られない不安
- 転職活動自体や、将来のキャリアへの不安
- 辞めること自体の恥ずかしさや悔しさ
- まだ頑張れるのでは?という自分への期待
- 変化すること自体への不安や面倒臭さ
別記事にてこれらの自分との気持ちとの向き合い方を解説しています。
コンサルにいる方向けに書いていますが、その他の仕事にも十分通じる内容ですので、ぜひお読みください。


【総括】地頭が悪いと感じた時にできること
最後に、この記事のまとめです。
- 年齢を重ねていれば地頭の影響はほとんどない。単に諦めてしまっているだけである。
- 結果が出ないのは地頭が悪いからではなく、経験や努力を正しい方向で蓄積していないから。
- 地頭が悪いと感じたら次の4ステップにトライする。
- ステップ①:まずはチャンスと捉える。地頭が悪いと感じる人は努力できるし自らを客観視できる
- ステップ②:目標を具体的に決める。「何が・いつ・どのような状態になっているか?」を言語化する
- ステップ③:結果を出す方法を調べる。考えるのではなく調べる。「必要な時間数」も併せて調べる。
- ステップ④:期間を決めて全力で続ける。必要な努力に満たないときは判断しない
- 4ステップでも結果が出ない場合は、まずは方法を変えてみる。それでもだめなら目標を変える:諦めたってOK
- 諦めるときは、自分の感情にきちんと向き合うことが重要。



最後までお読みいただきありがとうございました。
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