【1万字超】パートナーと実践!「コンサルで家庭崩壊」を防ぐ方法

  • コンサルは長時間労働と聞くけど、家族やパートナーとの時間を実際取れているの?
  • 家庭崩壊して離婚しているコンサルが多いって噂も聞くけど本当?
  • 今コンサルにいるけど、激務で家庭がピンチ。なんとか打破するにはどうしたらいい?

コンサルへの転職を考えていると、コンサルの激務の噂や家庭への影響が気になりますよね。

コンサル勤務の方も、日々家庭やパートナーとの関係に頭を悩ませている人も少なくないはずです。

いくらコンサルが激務とはいえ、「コンサル勤務は離婚率が高い」というデータはありません。あくまで印象論です。

しかし、コンサルならではの長時間・不規則・プレッシャーのある働き方が、家族やパートナーに大きな負担をかけてしまうことは十分ありえます。

私自身も外資コンサルにいた当時の苦い記憶があります

この記事のポイント:1万字超で詳しく解説

  • 日々のコンサル激務の構造的な要因
    • 長時間労働
    • 不規則な労働
    • プレッシャーのある労働
  • 日々の激務をコントロールする術
    • 今の環境での工夫(短期&中長期)
    • 環境自体を変える方法
  • 家族やパートナーとのコミュニケーション方法
    • ロジックで語るその前に、相手の気持ちへ共感

この記事では、コンサルでの働き方や対処法、そして家族やパートナーとのコミュニケーションのあり方まで、網羅的に詳しく解説します。

重要な点は、コンサルの労働の大変さをロジカルに理解しつつ、家族やパートナーにそのまま伝えないこと

激務を乗り越える上で、自分の中でロジカルに対策する必要があります。

しかし、「長時間労働でも仕方ないだろ!」と相手にそのまま伝えるのはNG。

大事なことは、相手の抱えている気持ちへの共感です。初めに共感が無ければロジックは役に立ちません。

自分1人だけでなく、家族やパートナーと一緒に「コンサル激務」を乗り越えていくヒントになれば幸いです。

コンサルへの転職希望の方・コンサル在籍の方の両方に役立つ内容になっています。ぜひお読みください。

目次

「コンサルで働くと家庭崩壊する」と言われる要因【体験談付き】

コンサルで働くと家庭崩壊すると思われてしまうのは、次の3つのコンサルならではの働き方が要因です。

  • 長時間労働:外的・内的の両方の要因あり
  • 不規則な労働:時間と勤務地はプロジェクト次第
  • プレッシャーのある労働:社外・社内両方からの高い要求

最近はコンサルファーム各社がワークライフバランスを意識しており、育休や時短勤務といった制度が充実しています。

確かに育休や時短勤務などの制度を活用しているときは良いですが、問題は日々の生活です。

長時間労働で、平日家に帰っても家族は先に寝ており、家族とコミュニケーションが全然取れない
休みの日は疲れ切って泥のように眠ってしまい、休日なのに家庭のことが何もできない

不規則な労働で、家族やパートナーとの予定を急遽キャンセル
土日に遅れた分を巻き返さなければならず、週末の子供とのレジャーにも行けない

プレッシャーで、仕事のことで頭がいっぱいになり、会話が上の空
頼まれていたことを忘れてしまい、そのことをパートナーに責められて、ついイラッとして口喧嘩に

日々の長時間・不規則・プレッシャーのある労働が、家族やパートナーの大きな負担となっているのです。

では、なぜコンサルだと長時間・不規則・プレッシャーのある労働になりがちなのでしょうか?

1つずつ詳しくみていきたいと思います。

長時間労働:外的・内的の両方の要因あり

1つ目は長時間労働です。

実際どれくらい長時間労働なのか、まずは簡単に確認したいと思います。

長時間労働の実態

外資系戦略コンサルの代表格であるマッキンゼー、BCG、ベイン(MBB)の月間残業時間を「openwork」や「転職会議」等の口コミサイトで確認すると、およそ70〜80時間となっています。

総合系コンサルのアクセンチュアやデロイト、PwCなどの残業時間は30~50時間/月。MBBとは異なり、戦略部門以外の部署が複数あることや、社員数が多いため、残業時間が平準化されて緩やかになっていると考えられます。

【私の体験談】

  • 私が新卒で外資系コンサルの総合系の戦略部門に入社しました。
  • 当時の残業時間は、総合系の平均残業時間よりもMBBにそれに近かったです。
  • 同じコンサルファームでも部門・部署によって労働時間が異なっています。

他の業界の残業時間も確認してみましょう。

例えば5大総合商社やメガバンク3行は、いずれも30時間前後です。現在私が勤めているメーカーも30時間程度となっています。

もちろん人や部署、時期によって労働の波は様々です。

データ収集の特性上、実態をどこまで反映しているかは議論の余地があるでしょう。業務後の飲み会なども含めた”拘束時間”という観点での負担は、当然未知数です。

しかし、傾向として「他の業種に比べてコンサルは長時間労働」という主張は概ね妥当と考えられます。

ではなぜコンサルは長時間労働になるのか?

長時間労働になる要因は2つあると考えています。

  • 外的要因:長時間労働を結果的に求められる
  • 内的要因:自発的に長時間労働する

詳しくみていきましょう。

長時間労働の外的要因

要因の一つ目は外的なものです。要するに、長時間働くことを周囲から結果的に求められる、と言うことです。

「成果=時間×効率」として考えてみましょう。

前提として、コンサルでの成果は高い水準を求められます。

コンサルは1人当たり数百万円/月という高いフィーをもらっているので、それに見合う成果が必要です。
そして、答えのない問題にチャレンジすることも多く、「これだけやれば終了」という計画が立てづらいという性質もあります。

「成果=時間×効率」ですので、高い成果を上げるために、時間を増やすか、効率を上げる必要があります。

まずコンサルに入社したての頃を想定してください。

入社当初は、右も左もわからないのが通常です。とにかく業務スピードが速いですし、一つ一つの作業も丁寧に教えてもらえるわけではなく、手探りな部分が多くあります。

もちろん皆できる限り頑張りますが、最大限頑張っても効率がそこまで高くありません

そうなると高い成果を出すために必然的に労働時間の多さでカバーする、というアクションになります。

決してダラダラしているわけではなく、頑張って働いていても長時間労働になってしまうのですね。

では、ある程度コンサルでのキャリアを積んだ場合、どうなるでしょうか?

確かに同じようなプロジェクトを経験するので、効率が上がっていきます。これまで1日かかっていた作業が1時間そこらでできるようになり、多少時間の余裕が出てくるでしょう。

しかし、コンサルファームでは、あるレベルができるようになると、すぐに次のチャレンジを与えられます

「ストレッチこそが人を成長させる」という考えを持つコンサルファームが多いです。

そのため、同じようなプロジェクトでも、自分の担当範囲が増えます。やったことのないテーマのプロジェクトを担当することもあるでしょう。

キャリアが進む度に効率が下がり、投下時間を増やすことで成果を上げなければならないサイクルに再び入ります。

つまり、「長労働時間でがむしゃらに頑張る→慣れてきて労働時間が落ち着く→次のチャレンジが降ってきて再び時間が増える」を繰り返すのがコンサルの基本的な労働サイクルなのです。

成熟するまでは、成果を出すために結果的に長時間労働を求められることを、ある程度前提とした方が良いでしょう。

長時間労働の内的要因

もう一つは内的な要因です。要するに、もっともっと頑張りたい!と自発的に長時間労働するケースです。

クライアントに喜んでもらうために、もう少し細かい分析も追加でしてみる。資料も分かりやすくなるように工夫してみる。成果物のクオリティを上げるために、できることはいくらでもあります。

さらに意識の高い方は、通常業務が終わった後もレベルアップのための研鑽をするため長時間労働になりがちです。本を読んだり、研修に参加したり、休日に関連する場所に視察にいったりと、時間がいくらでも溶けていきます。

プロスポーツ選手が自主練するのと同じですね。

その他、考えることが好きな気質の方がコンサルになると長時間労働になりがちです。

いわゆる凝り性の人も長時間労働の傾向があります。

自発的に労働している以上、残業時間として計上していないケースもあります。見かけの残業時間よりも実際長い時間仕事に取り組んでいるのは、自発的な労働があるからでしょう。

内的な長時間労働の場合、本人は苦ではなくても、家族やパートナーに皺寄せがいっていることがあるので注意が必要です。

不規則な労働:時間も勤務地もプロジェクト次第

2つ目は不規則な労働です。

時間的な不規則性に加え、勤務地も不規則なところがあります。

不規則な時間

まずは時間に関して。

長時間労働であっても、「何時から何時まで」と毎日決まっていれば、多少なりとも私生活の計画を立てやすいでしょう。

しかし、コンサルティングの「正解のない問いを考え続ける」という仕事の性質上、急な予定変更を0にすることはなかなか難しいのです。

  • 順調に進んでいたと思っていたプロジェクトであっても、途中で思わぬトラブルが発生。巻き返しのために休み返上で働く必要が出てくる。
  • 「きっとこういうのが課題だろう」と仮説を立てて調べてみたら、全然違った。次の報告までに時間がなく、答えが出るまで働かざるを得ない。

当然プロジェクトチームとして稼働がなるべく安定するように、マネジャーやパートナーがコントロールしますが、いつもうまくいくわけではありません。

また、新卒1年目ならまだしも、2年目以降や中途の場合は、自分で自分の仕事をコントロールする必要があります。任された部分に関して、自分の責任でアウトプットを出す所まで完遂することが求められるのです。

なお昨今は働き方改革の影響で、スタッフの担当領域が終わっていない場合、マネジャーが「あとはこっちでやるよ」と巻き取るケースが増えてきています。
スタッフであれば稼働が安定しますが、マネジャーは自分の仕事が不規則になり、より過酷になっていると聞きます。

プロジェクト内容やその時の自分の立場次第で「終わりの時間が読めない」というのが、コンサルでの働き方の特徴です。

不規則な勤務地

コンサルの勤務地も、実は不規則なところがあります。

常駐・非常中というだけでなく、都内の本社採用であってもプロジェクトの内容次第では勤務地が都内でないケースがあるのです。

例えば、クライアント常駐型のプロジェクトの場合。

大阪のクライアントであれば、平日は大阪のマンスリーマンションに寝泊まりする、という場合があります。

昨日までのプロジェクトは東京で非駐在。都内の本社オフィスと、週一の定例で顧客のオフィスに行く生活。しかし、次の3ヶ月は大阪に平日は滞在する生活が十分あり得るのです。

プロジェクトへのアサインの仕方は、各コンサルファームや、ファーム内の部門によって様々です。

地方採用で、その周辺でしかアサインがない場合もあります。

アサイン希望を聞いてもらえるかどうかもファームの考え方次第で変わってきます。

【私の体験談】

  • 私のいた戦略部門下の部署はマネジャー以上が全て決めて、「来週からこれに入ってね」と一方的に言われるスタイルでした。
  • 私がいた部署では「新卒をどう育てて行こうか?」とマネジャー以上で考えた上で様々なプロジェクトを経験させる方針だったと思います。そのため毎回のプロジェクトの希望を聞かれることはありませんでした。
  • 一方、戦略部門でも別のインダストリーの部署は、アサイン前にスタッフとプロジェクトマネジャーの面談を経てからアサインが決まっていました。ある程度スタッフ側の希望も聞いていたようです。

もちろん、出張は他の業界・業種でもあるので、必ずしもコンサルだけが大変というわけではありません。

しかし、働く場所が変わる頻度やタイミングが読めない場合も多く、負担になってしまうのです。

なおプロジェクトで海外に派遣されるケースは0ではないですが、レアケースです。
外資系コンサルであれば、基本的には現地法人がありますので、現地のメンバーが対応します。わざわざ日本のコンサルに頼む理由がないのです。
海外で働きたい場合は、商社やメーカーに勤めて、駐在を狙う方が可能性が高いでしょう。

「働く場所がどうなるか?」を詳しく知るには、コンサルファーム各社の内情を把握する必要があります。

コンサルの内情に関して、転職エージェントが最も情報を多く持っているので、ぜひ登録して情報を集めてみてください。

MyVisionやムービンといったコンサルのみに特化した転職エージェントが、コンサルの内情に一番詳しいです。

別記事でコンサル特化エージェントの選び方を解説しているので、是非お読みください。

プレッシャーのある労働:社外・社内両方からの高い期待

3つ目は、プレッシャーのある労働です。

顧客からのプレッシャーと、社内の上司・部下からのプレッシャーの両方あります。

顧客からのプレッシャー

労働時間のところでも記載した通り、コンサルへの顧客期待値は高いです。

顧客がコンサルを使うのは、基本的に自社のみでは難しいテーマだからです。

コンサルは、その領域のプロとして高い報酬で雇われていますので、顧客からの要求は高くなります。

しかも、昨今はコンサルへの期待値が高まる一方です。

  • コンサルスキルに関する情報が山のようにあり、顧客もコンサルスキルを使いこなす。
  • コンサル市場が拡大したこともあり、顧客側にコンサル出身者が普通にいる。
  • 生成AIにより、専門性が高いコンサル領域であっても顧客側が簡単に知ることができる。

コンサル未経験で価値を出しやすかった領域が、本やネット上に情報がゴロゴロ転がり、生成AIでも再現できてしまう世の中。今残されているのは、簡単に言語化しづらい領域や、生成AIだけでは答えられないような難易度の高い領域なのです。

生半可な知識や分析、示唆では顧客は満足しません。求められる水準が10年前より明らかに高まっています

上司・部下からのプレッシャー

まずわかりやすく上司からの日々のプレッシャーから解説します。

日々の業務において「なんでそうなの?」「つまり何が言いたいの?」というロジック詰めをひたすら上司からされます。

高い成果を顧客に提供するために、また社員に早く成長してもらうために、日々厳しいフィードバックが行われているのです。

ロジックでひたすら詰められるのは、なかなか辛いものがあります。初めの頃は面食らってしまう人も多いでしょう。

もちろん人格否定などのパワハラは撲滅傾向にあります。
ハラスメントはコンサルファームにとってリスクが大きく、対象者はすぐに処分されますのでご安心ください。

さらに中途コンサルあるあるでは、新卒叩き上げの若手からの突き上げプレッシャーもあります。

例えば、中途でシニアコンサルで入社し、新卒3年目の叩き上げ社員が部下になるケースです。

新卒コンサルは、3年もいれば一通りの所作を身につけています。新卒でコンサルに入るような人ですから、考えることが得意な人も多いです。考えることが得意な人が、3年間みっちり鍛え上げられているのです。

3年目の部下にロジックが甘いような指示を出せば、すかさず「なぜそれをやるのですか?」「言っている意味がわかりません」など反論がきます。

コンサルにおいて、「回りくどい言い方をせず、はっきりスタンスをとる」「顧客のためであれば、上司に対しても反論する」のが正しいとされており、慣れるまではプレッシャーに感じる方も多いのが実情です。

もちろんロジックは手段です。最終的に顧客に価値提供できることが重要です。
ここではわかりやすくロジック面でのプレッシャーを解説しましたが、ロジックだけ極めればいいわけではない点はご注意ください。

「コンサルでの家庭崩壊」を防ぐための働き方

これまで解説してきたコンサルでの働き方を簡単に振り返ってみましょう。

  • 長時間労働
    • 高い成果を出すことを求められており、効率だけでは限界があるので時間数でカバー。
    • 人によっては自発的に働いて、気づいたときには長時間労働になっていることも。
  • 不規則な労働
    • 仕事の性質上、事前に計画した通りには終わらないことが多い。
    • またアサインされるプロジェクトによって勤務地が想定外になることも。
  • プレッシャーのかかる労働
    • 社外からのコンサルへの要求は、生成AIの発展もあり、高まる一方。
    • 社内では、上司からのプレッシャーだけでなく、部下からの突き上げに晒されることも。

自発的に長時間働いてしまうことは自分でコントロールできますが、それ以外はどれも外的要因であり、コンサルで働く上での前提とした方が良さそうです。

長時間や不規則性やプレッシャーを減らして家庭やプライベートを平和に過ごすには、次の2つのオプションが考えられます。

  • 今いる環境で工夫する
  • 環境自体を変える

順番に解説していきます。

コンサルへの転職に関心がある方も、入社後の働き方をイメージしやすくなりますので、ぜひお読みください。

今いる環境で工夫する方法

まずは今の環境で上手く工夫することで長時間や不規則性やプレッシャーを減らし、家庭崩壊を防ぐ方法です。

短期的に日々の暫定対応と、中長期的な根本対策の2つがあります。

短期的な日々の暫定対応

長時間・不規則労働がきつすぎて今すぐにでも対応しなければまずい、という状況もあるでしょう。

長時間・不規則労働を短期的に改善するには、「アサイン調整してもらう(他力)」のと、「1点突破し、他は捨てる(自力)」の2方向が大きく考えられます。

長時間・不規則労働への短期的な対応

  • アサインを調整してもらう
    • プロジェクトでの役割を変えてもらう
    • プロジェクトを変えてもらう
  • 一点突破・他を捨てる
    • 得意な領域でバリューを出す
    • 現場に出向いて足で稼ぐ

長時間労働・不規則労働はコンサルではある程度覚悟しなければならないことは前述の通りです。

しかし、個別のプロジェクトで見れば労働時間や不規則性に緩急があるので、上司にお願いしてプロジェクト内の役割やプロジェクト自体を変えてもらうアサイン調整をしてもらいましょう

私自身、戦略部門でのプロジェクトでも毎日9-18時で終わる平和なプロジェクトもありました。

「評価に関わるのでは?」「ダメなやつ認定されてしまったらどうしよう」など不安もあるでしょう。

しかし、それで家庭が上手くいかなくなってしまっては元も子もありません。勇気を出して声を上げましょう。

会社の立場的にも、退職されてしまっては困るので、真剣に取り合ってくれます。

もちろん、コンサルファーム・部署・チームによって、どれくらい聞き入れてもらえるか違いがあるのも事実です。

入社前であれば、アサイン調整を言いやすい環境なのかを事前に確認した方が安心でしょう。

コンサルの人に直接は聞きにくいと思いますので、コンサルに特化した転職エージェントに登録して相談するのが良いと思います。

コンサルに特化したエージェントは、ファームごとの特徴に詳しいので、下手するとコンサルの人に聞くより詳しく教えてもらえます。

時間を減らしてもらう以外に短期的に改善するには、一点突破が有効です。

全てを頑張るのではなく、得意な所を120点出すようにフォーカスします。他の部分は最低限、場合によっては捨てるのです。

得意な所が活きないのであれば、まず現場に行き、足で情報を稼ぐのも手です。

現場でのバリューの出し方は別記事にて詳しく解説していますので、あわせてお読みください。

そしてプレッシャーに関して。

上述のようにプロジェクトや部署を変えてもらうことで顧客からのプレッシャーが改善されます。

社内からのプレッシャーを減らすには昇進のペースを変えてもらうことも、短期的に有効なオプションです。

上司・会社からのプレッシャーへの短期的な対応

  • 昇進スピードを緩めてもらう(職位の在籍期間を延ばしてもらう)

コンサルは「Up or Out」の印象が強いと思いますが、昨今は緩やかになってきています。

各職位で居られる年次目安が原則定められていますが、その年次よりも長く留まれる仕組みを入れているファームも出てきているのです。

例えば、マッキンゼーはPaceという制度を導入しています。

Paceは、コンサルタントが現在の職務に長く留まることを選択でき、1つ上の役目の要件を満たさなければならないというプレッシャーを軽減します。

マッキンゼー ワーク・ライフ・バランスの向上に向けた取り組み

勿論ファームによって制度が無い所もあるので、入社前に具体的な制度の有無や運用状況を確認すると良いでしょう。

制度の有無や運用状況を確認するには、コンサル特化の転職エージェントに登録して聞くのが最も確実です。

別記事でコンサル特化エージェントの選び方を解説していますので、ご確認ください。

なお、部下からの突き上げプレッシャーは、短期的にはムカつく・悔しい気持ちをぐっとこらえるのが吉です。

中途ならではの大人の対応で、上手く部下をおだててチーム全体で価値を発揮できるようにするのも良いでしょう。

部下からプレッシャーへの短期的な対応

  • ムカつく・悔しい気持ちをグッとこらえる
  • 部下をおだててチーム全体で価値を出す
補足:ストレスを解消するには

長時間労働や日々高いプレッシャーに晒されている場合、ストレス解消することは大切です。

趣味に勤しんだり、お風呂に使ってリフレッシュしたり、散財したりと、自分ができる範囲のストレス発散法で気を休めるのも良いでしょう。

しかし、これらはあくまで対処療法です。家族やパートナーがいる方は、ストレス発散法ができないこともあるでしょう。

本質的には労働自体を減らす工夫が重要です。結果的に余裕が生まれ、家族との関係も良好になり、自分にも時間が使えるようになります。

中長期的な根本対策

次に長時間・不規則・プレッシャーな労働に対して、中長期的にできる根本的な対策です。

根本的な対策は、コンサルとしてレベルアップする。これに尽きます。

コンサルのキャリアを積む上で、長時間・不規則・プレッシャーをうまくコントロールしながら、家族やパートナーとも良好な関係性を築くスキルを身につける必要があります。

その途中で、しんどいシチュエーションが何度も訪れるでしょう。

しんどい時に大事なことは「コンサルティングという職業で、楽しみ・喜びを何かしら見出す」ことです。

楽しみ・喜びは中長期的に頑張るための最大の活力になりますので、改めて自問してみましょう。仕事自体が楽しめるようになれば、仕事以外でリフレッシュする時間も減らせます。

そして、中長期的にレベルアップする上で重要なスキルの1つに「『顧客が意思決定して動くには何を伝えるべきか?』を考え、伝えることをWordに書く」があります。

無駄なことに時間を使っている暇はありません。最終的に必要なことから逆算して、時間を最小限に抑えるスキルをぜひ身に付けてください。

中長期的に頑張っていく際のヒントとなる考え方を別記事にて解説しています。是非お読みください。

環境自体を変える

前段では「今いる環境でどう頑張るか?」を解説してきました。

この章では環境自体を変えることで、長時間・不規則・プレッシャーから解放される方法を考えたいと思います。

具体的には、次の3つの方法が考えられます。

  • 同じコンサル内で部署異動する
  • 別のコンサル会社に転職する
  • コンサル業界から離れる

1つずつ見ていきましょう。

同じコンサル内で部署異動する

1つ目は「同じコンサル内で部署異動する」です。

程度の差はあれど、同じ部署のプロジェクトであれば、似たり寄ったりな働き方にどうしてもなってしまいます。

プロジェクトのアサインで労働負荷を調整しきれなければ、部署異動をすることも1つのオプションです。上長の方に相談してみましょう。

総合系コンサルの場合、戦略部門から業務改善などのプロジェクトが多い部門に移るのも一例です。

ある程度コンサルタントとしてのキャリアがある方であれば、コンサルの人事部門に異動することも可能でしょう。

マッキンゼーで12年ほど採用マネジャーをしていた伊賀氏も、もともとはマッキンゼーのコンサルタント。途中から採用人事に異動しています。
著書の『採用基準』に経緯が載っていますので、是非お読みください。

部署異動することで、残業時間は大きく変わります。総合系でも戦略部門は70~80時間残業していますが、他の部門は30~50時間に落ち着きます。

もちろん給与が下がるケースも出てきますが、家族やパートナーとの良好な関係や自身の健康は、お金で買えない価値です。

収入が懸念であれば、今の時代、副業で補填することも十分あり得ます。そのための時間を生み出すため上でも、部署異動は有効なオプションの1つと言えるでしょう。

別のコンサル会社に転職する

2つ目は、「別のコンサル会社に転職する」です。

戦略系、総合系、FAS系など、同じカテゴリー内のコンサルであっても各社の色があるので、自分の働き方や価値観に合う会社を選ぶことが大切です。

例えば、コンサル各社の働き方に関するページを比較すると、記載内容が全然違うことが確認できるでしょう。

スクロールできます
コンサル会社働き方関連ページ
マッキンゼー・アンド・カンパニーPage Link
BCGPage Link
ベイン・アンド・カンパニーPage Link
アクセンチュアPage Link
アビームPage Link
ベイカレントPage Link
デロイトトーマツPage Link
EYPage Link
PwCPage Link
KPMGPage Link
代表的なコンサルファームの働き方関連ページ一覧

別のコンサル会社を選ぶ際に重要なのが、制度の有無だけでなく、その運用状況です。

「制度はあるけど形骸化している」「雰囲気的に使いにくい」等、避けたいですよね。

制度有無と運用状況を事前に知るには、転職エージェントに登録して情報をもらうのが最善の方法です。

特に、コンサルに特化している転職エージェントは、ファームを横並びで比較できるので有益でしょう。

コンサル特化エージェントの選び方を別記事で詳しく解説しているので、ぜひお読みください。

コンサル業界を離れる

3つ目は、「コンサル業界から離れて別の業界へ転職する」です。

今の環境で工夫して頑張ることや、プロジェクトや部署の変更、さらにはコンサル会社を変えるというオプションですら、上手くいかないこともあります。

上手くいかない時は、コンサル業界そのものを変えることが必要かもしれません。

この時、本当にコンサルを辞めて良いのだろうか?と不安になることも多いでしょう。

重要なのは、辞めることに関連する「5つの感情」に向き合うことだと私は考えています。

別記事にて辞めることを考える際によくある5つの感情と、その向き合い方を解説していますので、ぜひお読みください。

「コンサルでの家庭崩壊」を防ぐためのコミュニケーション

ロジカルの前に、共感を

ここまで、コンサルでの働き方が激務になってしまう構造的な要因と、激務への対応方法を詳しく解説してきました。

ご自身の中で今後の対応策をイメージできている方も多いと思います。

「コンサルでの家庭崩壊」を防ぐには、ここからが大切です。

激務の要因や対応方法を家族やパートナーにどう伝えるか?を丁寧に考えることが重要です。

もちろん、ロジカルに説明することが相手に伝わる状況もあります。ロジカルに伝えれば済む時は、この記事をそのまま相手の方に共有して読んでもらえば良いでしょう。

しかし、ロジカルに伝えることが必ずしも良いとは限りません。

特に喧嘩しているときに論理的に説き伏せようとして、さらに炎上させてしまった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

コンサルにいる方は論理的思考が強いので、なおさらその傾向がある気がします。私自身もその口でした。

家族やパートナーと喧嘩やギクシャクせずに伝えるには、どうしたら良いのか?

ずばり、ロジカルに伝えるその手前の段階で、相手の気持ちへの共感することが重要です。

臨床心理士の上遠文恵先生の著書『幸福な夫婦のためのマニュアル』が参考になりますので、一部引用してご紹介します。

喧嘩の中で相手に向けられる怒りや批判は、多くの場合、相手との情緒的繋がりがないことや、繋がりが断ち切られたことに対する抵抗、抗議であると考えられます。その怒りには、「私はあなたの、あなたは私の、大切で唯一無二の特別な存在であるはず。なのに、なぜこっちを向いてくれないの?私に関心を持ってくれないの?」あるいは「僕は君の、君は僕の、大切で唯一無二の特別な存在であるはず。なのに、なぜ自分を批判・攻撃してきて、ありのままで受け入れてくれないの?」という思いが込められているのです。そしてその裏には、「自分と向き合って関心を持って欲しい」「ありのままの自分を受け入れてほしい」「相手にとって大切な存在でいたい、大切な存在として扱って欲しい」といった欲求が隠されています。

上遠文恵『幸福な夫婦のためのマニュアル: 臨床心理士が読み解くパパママ世代の喧嘩の仕組みと夫婦円満のコツ』

相手の感情や欲求が自分のものと違っていても、まずは「あなたはそう感じていたんだね」と認めることから始めてください。自分の気持ちをパートナーに認めてほしい、受け止めて欲しいと思うのは、夫婦関係の中では本当に自然な欲求です。ふたりとも相手にそれを求めている、ということをお互いに認めるところから始めてみましょう。

上遠文恵『幸福な夫婦のためのマニュアル: 臨床心理士が読み解くパパママ世代の喧嘩の仕組みと夫婦円満のコツ』

私の臨床経験では、この気持ちのやり取りが出来て、相手が自分の思いにしっかり耳を傾けて、気持ちを受け止めてくれる、という繋がりをパートナー同士が感じられるようになれば、多くの具体的な問題(セックス、お金、育児・家事の分担等々)の解決はグッとやりやすくなる
(中略)

安心安全な気持ちの繋がりがあれば、不安や恐れ、悲しさが減り、本来持っているいる問題解決能力も発揮できますので、互いの妥協点やクリエイティブな解決策を一緒に見つける事も可能になります。

上遠文恵『幸福な夫婦のためのマニュアル: 臨床心理士が読み解くパパママ世代の喧嘩の仕組みと夫婦円満のコツ』

相手の感じていることへ共感し、認めることが重要。その気持ちのつながりがあって初めて自分の意見にも耳を傾けてもらえる。

言われてみれば当たり前のことですが、ついつい忘れがち。ぜひ家族やパートナーの方と実践いただければ幸いです。

【総括】コンサルでの家庭崩壊を防ぐ方法

最後に、この記事の内容のまとめです。

この記事のまとめ

  • 日々のコンサル激務の構造的な要因は次の3つ
    • 長時間労働:高い成果を出すため結果的に長時間が必要。自発的に長時間労働をする人も中には存在。
    • 不規則な労働:仕事の性質上、事前に終わりが読みづらい。勤務地もプロジェクトの内容次第で変化。
    • プレッシャーのある労働:上司からの詰めだけでなく、部下からの突き上げも。
  • 日々の激務をコントロールする術は大きく2つの方向性
    • 今の環境での工夫:短期ではアサイン調整や一点突破。中長期ではレベルアップが重要。
    • 環境自体を変える方法:社内部署異動、別のコンサルへ転職、コンサル業界から離れるの3段階。
  • 家族やパートナーとのコミュニケーションのあり方
    • ロジックで語るその前に、相手の気持ちへ共感が最重要

最後までお読みいただきありがとうございました。

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