実は離職率が低い!?それでもコンサル転職で後悔する本当の理由

  • コンサルは激務で、「中途転職は辛い」と言われていて不安…
  • 頑張って長時間働いても「使えない」と評されて、落ちこぼれてしまったらどうしよう…
  • コンサルで活躍できず、再び転職している人は多いのだろうか?

コンサル転職を考える方は、コンサルの激務の噂に誰しも一度は不安を覚えるでしょう。

「せっかく転職したのに、またすぐに転職しないといけなくなってしまったら…」と不安になりますよね。

実はコンサルの離職率は、他の職業含めた全体の平均に比べて低い傾向にあります。

よく「コンサルの離職率は20%ほどで平均より高い」とネット上で言われていますが、離職率20%を裏付ける公開データがありません

もちろん私の知らないクローズドなデータがあったり、個別企業の中で平均より高い企業があるのかもしれません。

しかし、少なくとも”コンサルだから”と一括りにして不必要に恐れる必要はないです。

大事なのは向き不向き。
コンサルへ転職して後悔してしまうのは、「自分の向き不向きを見極めきれなかった」ことが本当の理由といえます。

そこでこの記事では、離職率の公開データを整理しつつ、コンサル転職で後悔する理由を解説します。

この記事を読めば、自分がコンサルに向いているかどうか、冷静に様々な角度から考えられるようになるでしょう。

ぜひ最後までお読みください。

目次

コンサル転職で後悔して、すぐ辞めるわけではない

まずは上図をご覧ください。これは厚生労働省が発表している離職率のデータを元に作成した図です。

コンサルを含む専門サービスの離職率は産業全体平均に比べて低い値となっています。

「学術研究,専門・技術サービス業」は、法律事務所や経営コンサル、広告代理店などの専門職を含む分類です。定義はこちらをご確認ください。

「コンサルだけ切り出したら、もっと離職率が高いのでは?」

そう疑問に思う方に向けて、もう一つデータをご紹介します。下図はコンサルに絞った離職率です。

データの都合上、年度はバラバラですが、どの企業も直近の産業平均以下であることがわかります。

もちろん、こちらも完璧なデータではないです。公開データは限られており、他のコンサルでは離職率が高い可能性は否定できないのもわかります。

しかし、これらデータを踏まえると「コンサルだからといって、離職率が高いわけではない」とご理解いただけると思います。不必要に不安になる必要はありません。

もし踏み込んだ個社の情報が必要であれば、転職エージェントに登録して聞くことをお勧めします。
コンサル転職のみに注力するエージェントや、コンサルを売りにしつつ他の業界にも強いエージェントあたりに聞くと良いでしょう。

補足:コンサル各社の離職率データの出典

使用したコンサルの離職率のデータの出典は下記のとおりです。

厳密には、コンサルが発表しているデータを各年度ごとの産業平均離職率と比較しなければいけませんが、コンサルだけが非常に離職率が高いわけではないことがメッセージですので、伝わりやすさを優先して表現しています。

なお、もっと多く企業のデータや、離職理由ごとの離職率についても明かされているデータがあれば良いのですが、残念ながら公開されていません。できる限りの情報にてお伝えしております。

他業界に比べてコンサルの離職率が著しく高いわけではない。しかし後悔している人が一定いるのも事実です。

ここから後悔する理由や、後悔する人の特徴などを見ていきたいと思います。

コンサル転職で後悔する理由とは?

理想と現実のギャップ

「優秀な人と一緒に働ける」「短期間で圧倒的に成長できる」といった高い理想を持ってコンサルへ入社する方は多いです。

確かにコンサルは圧倒的に成長できる環境ではありますが、成長する前にまず“耐える”フェーズがあるのも事実です。

深夜までの資料作成、答えのない問いに向き合う日々、上司からの厳しいフィードバック…。

ハードな環境で頑張るからこそ大きく成長できます。当たり前ですが、コンサルに入社しただけで成長できるわけではありません。

あらかじめ想定していれば良いですが、理想と現実のギャップに耐えきれず、「こんなはずじゃなかった」と感じてしまう人も少なくありません。

業務量・スピードへの適応が困難

コンサル業界では、膨大な業務量を圧倒的なスピードでこなすことが求められます。

特にプロジェクトの立ち上がりや納品直前には、長時間労働やタスクの過密さに晒されることも。プロジェクトが途中で炎上すれば、そこから急に忙しくなることもあります。

そのため、時間的な制約の中で成果を出す力や、急な方向転換でもすぐに対応できる力も必要です。思考力だけでなく、純粋な体力も必要になります。

これに適応できないと、心身ともに疲弊してしまい「こんな働き方を続けられない」と後悔に繋がります。

「仕事の意味」を見失う瞬間がある

多くのコンサルタントが一度は感じる壁が、「この仕事、誰の役に立っているんだろう?」という迷いです。

特にアナリストやコンサルタントになりたての頃は、ひたすら分析やスライドを書くという作業系の仕事も多いため、目的を見失いがちです。

もちろん、作業はあくまで意思決定して動くために必要なものです。その作業も、高い視座から見た時の意味を考えるだけでもクオリティが変わってきます。

しかし、俯瞰して考えるにはある程度の経験も必要になるため、俯瞰して見られるようになるまでは、やりがいを感じにくくなり、後悔に繋がることもあります。

コンサル転職で後悔する人の特徴

転職目的があいまい・ブランド思考

「なんとなくキャリアアップに繋がりそう」「年収が上がるから」といった曖昧な動機やコンサルのネームバリューに惹かれて転職するのは危険です。

実際に入社後、「なぜこの仕事をしているのか」が見えなくなり、方向性を見失ってしまうケースが少なくありません。

明確な目的がないまま激務に放り込まれると、判断基準を見失い、精神的に追い込まれてしまう可能性も。

「コンサル以外では、自分の目的は達成されないのか?」という問いに答えられるか否かが重要です。

思考体力に自信がない

コンサルの仕事は、答えのない問を考え続けることが必須になります。そのため、思考体力に自信がない場合は要注意です。

「本当にこれが答えるべき問いなのだろうか?」「クライアントの課題は他にないのか?」「もっと良い方法は考えられないだろうか?」等、やろうと思えば無限に考えることができます。

スキルや知識はある程度身につけることができますが、思考体力は向き不向きが大きいです。

考えるだけでなく、考え続けることが好きでなければ、後悔する可能性が高いかもしれません。

マッキンゼーでは、思考体力の有無を採用プロセスで見極めることに注力していると言います。詳しくは元マッキンゼーの採用マネジャー伊賀氏の『採用基準』をぜひ一読ください。

ワークライフバランスを最優先にしたい

コンサル業界では、プロジェクトごと・時期ごとに忙しさの波があるものの、基本的にはハードワークが求められます

「毎日定時に帰りたい」「プライベートを最優先したい」という方の場合、仕事量や働き方に対して強いストレスを感じてしまう可能性があります。

突発的なトラブルや方向転換が発生し、急な残業も避けられない場面があります。そういった“融通のきかない”働き方が、家庭や趣味との両立を難しくするケースも。

一時的にキャリアを優先するという腹が括れていないと、「この働き方は続けられない」と感じやすいです。

もちろん、バランスを取っているコンサル社員も大勢いますが、転職してすぐには難しいことを覚悟した方が良いでしょう。

生活の安定が第一優先の人には、そもそも向いていない環境かもしれません。

コンサル転職で後悔しない人の特徴

転職目的が明確

「なぜ今コンサルなのか」「この経験を通じて何を得たいのか」といった目的が明確な人は、後悔が少ないです。

たとえ仕事がハードでも、目の前の経験に意味づけできるため、途中で後悔する可能性が低くなります。

特に昨今はコンサル人気もあいまって希少性が下がっています。コンサルにいた、というだけでは箔が付きづらくなっています。

生成AIの発展により、コンサルの仕事の一部はなくなっていくでしょう。

このような時代においてもコンサルへ転職するキャリアの意味合いを、自分の中で描けていることが重要です。

考え続けるのが好き・知的好奇心旺盛

コンサルはプロジェクトで動くため、基本的には毎回新しいテーマを考えることになります。

考えることが苦でない、知的好奇心旺盛な方は向いていると言えるでしょう。

受験勉強が得意であったかどうかは関係ありません。むしろ答えがない問いを立てて、それに答えるという力が求められます。

むしろ1つの事にのめり込んだ経験や、凝り性の方が向いていると思います。

0から業界や顧客のことを学び、課題や施策を考え続けることが苦でなければ、ハードワークでも後悔しづらいでしょう。

プレッシャーの最中で、楽しみ・喜びを見つけられる

考え続けるのが好きであっても、趣味と仕事とでは、かかってくるストレスは異なります。

コンサルティングは、クライアントワークです。当然、高い要求があり、プレッシャーも多くあります。

ハードワークの最中であっても、当初の目的を見失わず、自分の中での楽しみ・喜びポイントを見出せる人は後悔する可能性が低いでしょう。

コンサルは、とにかく考える続けるのが仕事なため、「純粋に考え続けるのが好き」という人は楽しみを見出しやすいです。

しかし、これ以外にも楽しみを見つけることは可能です。例えば、クライアントから感謝されるのが何よりも嬉しいというのも良いでしょう。

コンサル転職で後悔しないためにできること

ここまで読むと、コンサルの向き不向きのイメージがある程度できたと思います。

ここからは、より一歩踏み込んで、情報を集めるフェーズになってきます。この時にぜひ有効活用していきたいのが、転職エージェントです。

例えば、コンサルの離職率は一般的には公開されていませんが、転職エージェントであれば、これまでの求職支援を通じてもう少し踏み込んだ情報を持っています。

他にも、自分ではなかなか客観視しづらい向き・不向きも、エージェントから意見をもらうことができます。

この時にどのエージェントを選ぶか?が重要です。

コンサル特化エージェントと世間一般に言われているエージェントも、コンサルへの転職のみを支援するエージェントと、コンサルも売りにしつつ他の業界にも強いエージェントがいます。

転職エージェントの分類からおすすめのエージェントまで、別記事で分析していますので、ぜひお読みください。

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